公開日 2025.01.06 更新日 2025.01.22

IPOコンサルタントの役割は?おすすめの企業5選も紹介

IPO(株式公開)を実現するには、さまざまな準備が必要です。

専門性の高い業務も多いため、自社で対応するのではなく、IPOに造詣の深い“IPOコンサルタント”に依頼することが、成功への近道となります。

 

本記事では、IPOコンサルタントについて詳しく説明したうえで、優れたコンサルタントが所属するおすすめの企業を5社紹介します。

IPOの実現に向けて、プロの力を借りて準備を効率的に進めたい事業者様は、参考になさってください。

IPOコンサルタントとは

IPOに不可欠な業務の代行やアドバイスを通じて、依頼された企業の上場をサポートする専門家が、IPOコンサルタントです。

IPOに向けた準備は、複雑で作業量も多いうえに専門知識も求められるため、自社の人的リソースのみでIPOを実現するのはあまり効率的ではありません。

 

そのような場面でIPOコンサルタントに依頼すると、IPOに関する専門知識と経験に基づいたサポートを受けられ、成功の可能性を高めてもらえるというわけです。

 

IPOコンサルタントの業務内容

IPOの実現に向けて、IPOコンサルタントに依頼する場合、さまざまな業務を対応してもらうことができます。

具体的には、以下の内容です。

 

【IPOコンサルタントの業務内容】

  • IPOのスケジュールの策定とマネジメント
  • 提出書類の作成や指導
  • 上場審査への対応
  • 証券会社や証券印刷会社、監査法人など各種関係機関の紹介
  • 社内の規定の見直しや作成
  • 内部管理体制の構築支援
  • 経営計画の作成支援
  • 資本政策の作成支援
  • 予算管理体制の作成支援
  • 上場後の経営に関するアドバイス

このように、IPOコンサルタントに代行してもらえる業務は、IPOのスケジュールの策定や書類の作成などの事前準備から、IPO直前、上場後のサポートまで多岐にわたります。

 

IPOコンサルタントへの依頼にかかる費用相場

IPOの実現に向けて業務のすべてをIPOコンサルタントに依頼する場合、トータルで2,000万~5,000万円程度の費用が必要です。

ただし、企業規模や依頼する業務内容などによって、具体的な費用は変動します。

 

たとえば、IPOの準備段階や株式公開後のコンサルティングのみを依頼するなら、年間500万~1,500万円程度で済みます。

最初に挙げた金額と乖離しているのは、IPOの申請直前の対応には業務量が特に増え、そのぶん費用が加算されるためです。

 

どれほど優れた企業であってもIPOを実現するには、少なくとも3年ほどかかります。

 

そのため、準備段階から依頼して最短ルートでの実現を目指す、あるいは少しでも費用を抑えて一部の業務だけを依頼するといったように、方向性を事前に固めておきましょう。

 

関連記事:IPOの実現にかかる費用はいくら?3段階に分けて紹介

関連記事:IPO準備企業が外注できるバックオフィス業務8種類を解説!

IPOコンサルタントの種類

IPOコンサルタントは、得意とする領域によって以下の3種類に分けられます。

 

【IPOコンサルタントの種類】

  • 証券会社系
  • 会計士系
  • ベンチャー・スタートアップ系

自社に適したコンサルタントを選ぶことがIPOの成功につながる一歩であるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。

 

証券会社系

証券会社系のIPOコンサルタントは、証券会社の引受審査や証券取引所の審査など、IPOのなかでも特に重視される項目の代行を得意とします。

 

審査に関する実務経験やノウハウが豊富なので、審査する側の基準や着眼点をもとに、要点を押さえた書類の作成を行ってもらえます。

 

会計士系

監査法人出身で、内部統制や決済開示体制などの整備を得意とするのが、会計士系のIPOコンサルタントです。

前提として監査法人は、法人の決算内容や会計処理を第三者目線でチェックする業務を担っています。

 

その監査法人出身のIPOコンサルタントに依頼すれば、監査法人ならではの視点から、IPOに必要な書類の作成や、アドバイスなどを提供してもらえるというわけです。

 

なお、会計士系のIPOコンサルタントは、“実際に業務を代行してくれる会社”と“アドバイスやノウハウの提供のみを行う会社”の2つに分類されます。

自社の状況や目的に応じて、依頼先を決めるとよいでしょう。

 

ベンチャー・スタートアップ系

CFO(最高財務責任者)の経験があるのが、ベンチャー・スタートアップ系のIPOコンサルタントです。

CFOは、企業の財務・経理部門を統括し、財務戦略の立案や執行を担う責任者です。

 

ベンチャー・スタートアップ系のIPOコンサルタントは、CFOとして過去に企業側でIPOを指揮した実務経験があります。

 

当事者としてIPOに取り組んだ経験から、IPOを目指す企業の大変さを理解したうえで親身に相談に乗り、経験に基づく的確なアドバイスを受けられるでしょう。

 

関連記事:スタートアップ企業がIPO準備期間に行うべきことを解説!

IPOコンサルタントを利用するメリット

IPOの実現に向けて、IPOコンサルタントへの依頼が現実的であるのはすでにお伝えした通りですが、具体的にはどのようなメリットを享受できるのでしょうか。

 

【IPOコンサルタントを利用するメリット】

  • 専門家によるサポートを受けられる
  • IPOが実現する可能性が高くなる
  • 人材の雇用や育成にかかるコストを抑えられる

ここからは、IPOコンサルタントの利用によって得られるこれら3つのメリットを紹介していきます。

 

メリット①専門家によるサポートを受けられる

IPOコンサルタントに依頼するメリットとして最初に挙げられるのが、専門家による手厚いサポートを受けることで、手続きを円滑に進められる点です。

 

IPOの実現には内部統制の整備をはじめ、証券取引所による厳しい審査をクリアするための対策や手続きに必要な書類の作成など、多くの準備を行う必要があります。

 

いずれも専門知識が欠かせず、証券会社や証券印刷会社、監査法人といった各種関係機関とのやり取りや事務作業のすべてを、自社だけでこなすのは簡単ではありません。

 

自社で行う場合、ミスが発生したり、スケジュールから遅れたりするリスクが高まってしまうのは避けられないでしょう。

 

IPOコンサルタントの協力を仰げば、専門知識と経験に基づいたサポートを受けられ、当初立てたスケジュール通りに手続きを滞りなく進めてもらえます。

 

関連記事:なぜ上場に失敗するのか?上場準備期間に行うべきことを解説

メリット②IPOが実現する可能性が高くなる

専門家であるIPOコンサルタントのサポートを受けることは、IPOを成功に導く近道です。

IPOを実現させているのは、売上を通じて莫大な資金があり、内部管理やコンプライアンス体制が整っている企業だけではありません。

 

たとえ資金面や組織面などが不足している企業であっても、豊富な専門知識と経験を有するIPOコンサルタントの力を借りれば、IPOの実現に大きく近づけます。

 

また、資金面や組織面での問題が少ない企業も、手続き上のミスを防ぐために最終チェックだけでもIPOコンサルタントを利用すれば、IPOの実現をより確実に目指せます。

メリット③人材の雇用や育成にかかるコストを抑えられる

IPOコンサルタントの利用は、人材の雇用や育成にかかるコストを結果的に削減することにもつながります。

IPOを進めるにあたっては、IPOの経験がある人材の新規雇用、または既存の社員への教育という2つの方法もあります。

 

前者には相当な人件費が発生し、後者では一人で対応できるスキルを身につけるまでの時間が長くなるケースがほとんどです。

ここで重要になってくるのが、“IPOに関する業務の大半は一時的である”という点です。

 

一時的なニーズのために人材の雇用や育成を行うと、コストの大部分は結果的に無駄になるおそれがあります。

その点、IPOコンサルタントに依頼する場合、契約料は支払う必要がありますが、契約期間中の支払いだけで済みます。

 

長期的に考えると、コストの無駄を省くことが見込めるというわけです。

IPOコンサルタントと契約する際のポイント

自社に適したIPOコンサルタントを選ぶには、以下のポイントを重視しましょう。

 

【IPOコンサルタントと契約する際のポイント】

  • 豊富な実績があるか
  • 得意とする領域が自社のニーズと合っているか
  • 価格設定が適正か
  • 各種関連機関と連携できるか

IPOを成功させるためにも、選定時にはこれらのポイントを意識してみてください。

 

ポイント①豊富な実績があるか

IPOコンサルタントと契約する際にまず確認したいのは、これまでの実績です。

IPOには専門知識が必要なうえに、企業の状況によって実行しなければならない業務内容が変わります。

 

そのため、IPOの実績が豊富なコンサルタントであれば、これまでの経験やノウハウをもとに、自社の内部状況に合わせた適切なサポートが受けられます。

ポイント②得意とする領域が自社のニーズと合っているか

IPOコンサルタントには得意とする領域があるため、自社のニーズとの合致も契約時に確認しましょう。

3種類に分類されるIPOコンサルタントには、それぞれ得意とする領域が存在します。

 

証券会社系はIPOの審査に、会計士系なら内部統制の構築に、そしてベンチャー・スタートアップ系はIPOの流れに特に詳しいといった具合です。

 

自社のニーズを整理したうえで、その領域を得意とするコンサルタントを選ぶことが重要です。

 

関連記事:IPOを目指すには内部統制が必須?その理由や目的を解説

ポイント③価格設定が適正か

費用対効果を高めるためには、IPOコンサルタントへ支払う費用が適正な範囲かどうか確かめることも欠かせません。

IPOは準備から実現までに最低でも3年ほど要するため、それを見越してIPOコンサルタントに支払う金額を見極める必要があります。

 

費用の削減のみを目的に相場よりも極端に安い会社に依頼すると、サポートの質が悪い、または必要なサポートに追加料金がかかるといったリスクが考えられます。

適正価格の判断が難しい場合は、複数社の見積もりをとって比較検討するのがおすすめです。

 

ポイント④各種関連機関と連携できるか

IPOコンサルタントとの契約時には、各種関連機関との連携のスムーズさもチェックしたいところです。

IPOを進めるにあたっては、証券会社や証券印刷会社、監査法人などの各種関係機関とのコミュニケーションが必須です。

 

それぞれの機関への連絡事項や企業側の意見を説明し、手続きを円滑に進めるにはIPOコンサルタントの経験や知識が重要になってきます。

そのため、IPOコンサルタントの経歴やコミュニケーション能力などを、公式ホームページや契約前のやり取りで確認するとよいでしょう。

 

IPOをサポートしてくれるおすすめの企業5選

ここまでの説明を受けて、「どのIPOコンサルタントが自社に適しているのだろう」「それぞれの特徴を知ったうえで、契約したい」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

 

そこでここからは、IPOをサポートしてくれるおすすめの企業を5社ピックアップして紹介していきます。

IPOの成功に導いてくれる企業に出会えるよう、ぜひ参考になさってください。

 

CASTER BIZ accounting

【CASTER BIZ accountingは、このような企業におすすめ】

  • 経理業務やシステム導入など、幅広く対応してほしい
  • チーム体制での業務を希望している
  • IPOの準備に合わせてサポートしてほしい

CASTER BIZ accountingでは、1/100という採用倍率を通過した優秀なスタッフが、経理業務やクラウド会計システムの導入などを、チーム体制で代行しています。

一般的なIPOコンサルタントとは異なり、オンラインでのサポートにはなるものの、オフラインと遜色ないサービスを提供しております。

 

特に、“IPO伴走サポート”においては、監査法人からの修正依頼への対応や、内製とアウトソース業務のすみ分けなど、IPOの実現に向けてのサポートが可能です。

 

CASTER BIZ accountingの基本情報

対応可能な業務  IPO伴走サポート 

・経費精算 

・売上・請求業務 

・買掛・支払業務 

・月次処理・年次処理 

・税理士対応 

・クラウド会計システム導入サポート 

・経理業務コンサルティング 

料金(月額)  ・従業員数50名以下:225,000円 

・従業員数50~100名:225,000~680,000円 

・従業員数100~200名:225,000~450,000円 

宝印刷株式会社

 

【宝印刷株式会社は、このような企業におすすめ】

  • 経験豊富なIPOコンサルタントに依頼したい
  • IPOをワンストップで対応してほしい
  • IPOの準備をすべてアウトソーシングしたい

宝印刷株式会社は、これまでに数多くのIPOコンサルティングを手掛けてきた企業です。

IPOの準備から上場後まで、経験豊富なコンサルタントがトータルでサポートしています。

 

実施しているIPO支援は、書類作成をはじめとする業務を軽減するためのシステムの導入やIPO人材の育成支援、上場後のIRサポートなど多岐にわたります。

 

また、IPOの準備に関わるすべての業務をアウトソーシングすることも可能です。

 

宝印刷株式会社の基本情報

対応可能な業務  IPOコンサルティング 

・システム導入のサポート 

IPO人材の育成 

・上場後のIRサポート 

・月次処理・年次処理 

IPOの準備のアウトソーシング 

料金  要問い合わせ 

株式会社AGSコンサルティング

 

【株式会社AGSコンサルティングは、このような企業におすすめ】

  • IPOの実績が豊富な企業と契約したい
  • 証券会社と監査法人への対応が得意な企業に依頼したい
  • チーム体制でサポートしてほしい

株式会社AGSコンサルティングは、公認会計士と税理士が在籍する会計事務所を母体とする企業です。

これまでに、累計1,000社を超える企業のIPOの準備をサポートしてきた実績があります。

 

証券会社と監査法人出身のIPOコンサルタントが、それぞれの立場を踏まえたうえで、これまでに培ってきたノウハウをもとにコンサルティングを行っています。

 

また、プロジェクトごとにチームを組んでいるため、バックアップ体制も万全です。

 

株式会社AGSコンサルティングの基本情報

対応可能な業務  IPOに向けた事業計画の作成 

・資本政策の策定 

・会計制度の整備 

・諸規定の整備 

・内部監査の整備 

・証券会社や証券取引所の審査対応 

料金  要問い合わせ 

WIN Consulting 株式会社

 

【WIN Consulting 株式会社は、このような企業におすすめ】

  • 中小企業・中堅企業に特化した企業を探している
  • 経験豊かなコンサルタントに担当してほしい
  • 企業診断を行ってほしい

IPOやPMI(企業買収・企業再生支援)を得意とするのが、WIN Consulting 株式会社です。

 

大手ベンチャーキャピタルでの企業支援の実績をもとに、IPOを目指す中小企業・中堅企業や、管理体制を再構築する企業を支援しています。

 

IPOを目指す企業に対しては、まず企業診断を実施し、管理面や組織面でのコンサルティングを行います。

人事制度の見直しやシステムの再構築などを通じて、早期にIPOを実現することが可能です。

 

WIN Consulting 株式会社の基本情報

対応可能な業務  ・事業計画・資本政策策定 

・各種申請書類の作成 

・コンプライアンス体制の構築 

・組織・業務整備 

・情報システムの構築 

・証券会社や証券取引所の審査対応 

料金  要問い合わせ 

ブリッジコンサルティンググループ株式会社

 

【ブリッジコンサルティンググループ株式会社は、このような企業におすすめ】

  • 業界トップクラスの実績をもつ企業に依頼したい
  • 公認会計士によるサポートを希望している
  • 経理面の課題も解決したい

ブリッジコンサルティンググループ株式会社は、公認会計士によるコンサルティングを行っています。

 

IPOコンサルティングにおいて、業界トップクラスの実績を誇り、決算開示資料や各種書類の作成にくわえ、資金調達や管理体制構築の支援にも力を入れています。

 

IPO以外にも、内部監査や経理職の人材育成、経理管理ツールの開発なども行っているため、経理面の課題を合わせて解決したい場合にもぴったりです。

 

ブリッジコンサルティンググループ株式会社の基本情報

対応可能な業務  ・株式公開準備室の設置 

・主幹事証券会社の決定 

・監査法人の決定 

・証券会社や証券取引所の審査対応 

・組織構築の支援 

・経営管理体制の構築支援 

・税務に関する相談対応 

料金  要問い合わせ 

業務の代行やアドバイスを行うIPOコンサルタントに依頼して、IPOを成功させましょう

本記事では、IPOコンサルタントを取り上げ、利用するメリットや契約する際のポイントを紹介しました。

IPOの準備は、複雑で作業量も多いうえに専門知識も求められます。

 

そのため、豊富な専門知識と経験を有するIPOコンサルタントに依頼すれば、IPOの成功の可能性を高めることにつながります。

自社のニーズを整理したら、実績や得意な領域、費用面などのポイントを押さえて依頼先を決めましょう。

IPOの準備でシステムの導入も検討の企業様

「IPOの準備を中心に、経理業務やシステム導入のサポートも依頼したい」とお考えの事業者様は、オンライン経理のCASTER BIZ accountingにご相談ください。

IPO伴走サポートをご提供しており、監査法人からの修正依頼への対応をはじめ、スタッフがチーム体制で総合的にサポートいたします。

 

関連記事: IPOに向けた会計システムのリプレイスについて詳しく解説