その振込業務、経理の“本業”ですか?

15日、25日、月末……請求書の処理、社員の給与振込、経費の清算など、月に何度も発生する振込業務。従業員数が50名を超える中小企業や、外注先の多い業種では、1回の振込で数十件、場合によっては100件を超えることもあるのではないでしょうか。
振込業務は、その都度、金額や振込先の確認、入力、チェック、控えの出力など、シンプルですが神経を使う作業が続きます。気づけば、丸一日が振込業務で終わっていた……そんな経験がある経理担当者も多いと思います。
振込業務は“コア業務”ではない
こうした振込は、もちろん大切な業務のひとつです。しかし、経理の本来の役割を考えたとき、それは“コア業務”でしょうか。
経理が本来果たすべき役割とは、企業全体のお金の流れを把握し、経営判断に必要な情報を整理・提供することです。それにもかかわらず、振込というルーティン業務に多くの時間と労力を費やしていては、財務分析や改善提案といった本質的な業務に手が回らなくなってしまいます。
しかし「振込は経理がやるもの」と思い込み、当たり前のように自分たちで処理し続けていませんか。その思い込み、今こそ見直すタイミングかもしれません。
“誰かに任せられる業務”は、外に出す選択肢を
振込業務は、手順やルールが明確に決まっており、処理内容も定型的です。つまり、経理業務の中でも外注に適した領域のひとつといえます。
外注と聞くと、「コストがかかりそう」「ミスが不安」という声もあるかと思いますが、振込のようにプロセスが決まりきっている業務は、むしろ社内で属人化しているよりも、マニュアル化して外注した方が安全かつ効率的に運用できるケースも少なくありません。
さらに、振込を社外に任せることで得られるのは、“時間の空き”の他にもあります。
・社内の確認・承認フローを見直す機会になり、業務の透明性が高まる
・急ぎの支払や突発的な案件にも、スケジュールの余裕をもって対応できる
・債権管理や原価分析など、後回しになっていた“本当にやりたい仕事”に時間をあてられる
振込業務を手放すことは、単に担当者の作業を減らすだけではなく、結果として経理業務全体の質を上げる選択とも言えるのです。
【ヒント】上司・経営層への伝え方
振込業務の外注を検討しているものの、決裁者にどう話せばいいか迷う場合も多いと思います。その際に効果的なのは、「コスト削減」という表現よりも、「時間の再投資」という観点で伝えてみることです。
たとえば、月に何時間もかけていた振込業務を外注することで、その分の時間を財務分析やレポート作成といった、より価値の高い業務に充てられるようになります。また、外部の専門体制を活用することで、ミスのリスクを最小限に抑えながら、効率的かつ安心して作業を進めることができます。さらに、年末調整や決算期などの繁忙期に業務が集中することを避けられれば、現場の残業削減や人件費の最適化にもつながる可能性があります。
このように、振込の外注は単なる「作業の委託」ではなく、限られたリソースをより本質的な業務に振り向ける「投資」として伝えることで、経営層の納得感を得やすくなるでしょう。
「振込はやるのが当たり前」から一歩抜け出す
振込業務は、経理が長年担ってきた“当たり前”の仕事かもしれません。しかし、その“当たり前”を疑うと、今の業務を改善するヒントが見つかることもあります。
振込を手放せたら、どれだけ時間に余裕ができるか。どれだけ集中すべき業務にエネルギーを注げるか。
“経理がやるのが当然”という前提を少しだけ疑ってみることで、経理の仕事はもっと価値ある方向へと進んでいくはずです。
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