公開日 2025.11.29更新日 2025.11.29

電子帳簿保存法の対象書類を種類別に徹底解説!保存区分ごとの要件と業務負荷軽減策

電子帳簿保存法は、2022年1月の改正以降、企業にとって待ったなしの対応事項となりました。

特に、電子取引データの電子保存が義務化されたことで、「何を」「どのように」保存すべきかを正しく理解しておくことが求められています。

本記事では、電子帳簿保存法の対象書類を種類別・保存区分別にわかりやすく解説し、さらに対応に伴う業務負担を軽減するための「経理代行サービス」の活用方法を紹介します。

目次

電子帳簿保存法とは?「何を」「どのように」保存するかを定める法律

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿や書類を電子データで保存できるようにするための法律です。

紙での保存に代えて電子データでの保存を認め、そのためのルールと要件を定めています。

電子帳簿保存法が定める「保存の区分」は大きく3つ

電子帳簿保存法の保存要件は、保存する書類の性質によって次の3区分に分類されます。

  1. 電子帳簿等保存:最初から電子データで作成された帳簿・書類を保存
  2. スキャナ保存:紙で受領・作成した書類をスキャンして保存
  3. 電子取引データ保存:電子的に授受した取引データをそのまま保存

この3区分を理解することが、法対応の第一歩です。

電子帳簿保存法の「対象書類」は3つの保存区分で分類される

1. 電子帳簿等保存の対象書類(帳簿・決算関係書類など)

対象となるのは、以下のような国税関係帳簿・書類です。

  • 仕訳帳、総勘定元帳、補助簿などの帳簿類
  • 貸借対照表、損益計算書、棚卸表などの決算関係書類

これらを電子データで作成した場合、真実性や可視性を確保するための要件(訂正履歴・検索機能など)を満たす必要があります。

2. スキャナ保存の対象書類(契約書・請求書・領収書など)

紙で受領・作成した書類をスキャンして保存する場合の対象です。

対象書類は大きく2種類に分かれます。

  • 重要書類:契約書、領収書、請求書、納品書など
  • 一般書類:見積書、注文書、検収書など

特に重要書類は、資金やモノの流れを証明する書類として要件が厳しく設定されています。

スキャナ保存の目的は、紙を廃棄して電子化を推進することです。

3. 電子取引データ保存の対象書類(PDF・メール・Web領収書など)

電子的に授受した請求書・領収書・契約書など、取引情報を含むすべてのデータが対象です。

例として以下が挙げられます。

  • メール添付のPDF請求書
  • クラウドサービス上の領収書
  • EDI(電子データ交換)での取引記録

この区分のみ、紙に印刷して保存することは認められず、電子データでの保存が義務化されています(2024年1月以降)。

対象書類ごとの具体的な「保存要件」のポイント

電子帳簿等保存の要件(優良とそれ以外)

電子帳簿保存には2つの水準があります。

  • 優良な電子帳簿:訂正履歴や検索機能を備えたもの。税務上の優遇措置(過少申告加算税の軽減など)が受けられます。
  • 一般の電子帳簿:最低限の保存要件(真実性・可視性)を満たすもの。

優良要件を満たすことで、企業にとっての信頼性・透明性向上にもつながります。

スキャナ保存の要件(タイムスタンプ・検索機能など)

スキャナ保存では以下の要件を満たす必要があります。

  • タイムスタンプの付与(または訂正防止措置)
  • 画像の解像度・階調情報の確保
  • 日付・金額・取引先で検索できる仕組みの整備
  • 定期的な点検による適正性の確認

なお、以前存在した「適正事務処理要件」は廃止されましたが、内部統制の観点で整えることは依然として重要です。

電子取引データ保存の要件(真実性と可視性の確保)

電子取引データでは、次の2つの観点から要件が定められています。

真実性の確保(いずれかを選択)

  • タイムスタンプを付与する
  • 訂正・削除履歴が残るシステムを利用する
  • 訂正・削除を防止できる仕組みを導入する
  • 事務処理規程を整備・運用する(中小企業にとって現実的な選択肢)

可視性の確保(すべて必須)

  • 日付・金額・取引先で検索できる機能を保持
  • ディスプレイやプリンタで即時出力できる環境を用意

電子帳簿保存法対応は「業務外の負担」となりやすい3つの理由

1. 業務フローの抜本的な見直しと全従業員への教育コスト

紙主体のフローを電子化するためには、スキャン・命名・保存場所などのルール整備が必要です。

さらに、全従業員への教育にも時間とコストがかかります。

2. 検索要件を満たすためのシステム構築と運用

「日付」「金額」「取引先」で検索できるようにするための設定やシステム導入には専門的な知識が必要です。

特に中小企業では専任担当者を置くのが難しく、対応が後手に回るケースも多いのが現状です。

3. 法改正の頻度が高く、常に最新の対応が必要

電子帳簿保存法は毎年のように改正が行なわれる法律です。

そのたびに規程やシステムを更新する必要があり、専門知識を持たない担当者には対応が困難です。

複雑な法対応を確実に、かつ業務負荷なく進める「経理代行」

経理代行なら法改正に即応した体制が即座に手に入る

経理代行サービスを利用すれば、自社で法令を学び、運用体制を構築する手間が不要になります。

代行スタッフは常に最新の法改正を把握しており、確実な法令遵守を支援します。

経理代行が実現する業務効率化の具体的な例

  • 電子保存データの整理・入力・ファイル管理
  • タイムスタンプや検索要件の自動化対応
  • クラウド会計ソフトとの連携支援

これにより、経理担当者は本業である財務分析や経営サポートに集中できます。

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  • 柔軟な対応範囲:電子帳簿保存法対応から月次決算・給与計算まで包括的にサポート。

まとめ:対象書類を正しく理解し、負担軽減のために経理代行を検討

電子帳簿保存法の対象書類は、

「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データ保存」の3つに分類されます。

それぞれに異なる要件が定められており、正確な理解と体制整備が不可欠です。

もし対応の負担が大きいと感じる場合は、CASTER BIZ accountingの経理代行サービスをご検討ください。

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