公開日 2025.01.06 更新日 2025.01.21

電子帳簿保存法の罰則とは?対象書類や注意点も解説

電子帳簿保存法の改正によって、2024年からほぼすべての事業者に対して、電子取引のデータ保存が完全義務化されました。

ではこの義務化によって、対象となる帳簿や書類があるにもかかわらず、故意に保存しなかった場合、企業にどのようなリスクが生じるのでしょうか?

 

本記事では、電子帳簿保存法に対応しない場合の罰則や、違反しないための防止策を詳しく解説します。

電子帳簿保存への理解を深めたい事業者様は、最後までご覧ください。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは情報化社会へ対応し、納税者の負担を軽減することを目的に、国税関係の帳簿や書類を電子的に保存する際の要件を定めた法律のことです。

税金関連の書類を電子データとして保存するためのルールだと考えれば、わかりやすいかもしれません。

 

1998年に初めて制定された電子帳簿保存法は、幾度となく改正されてきたものの、電子保存を行える期間をはじめとする要件がまだまだ厳しいものでした。

 

その結果、多くの企業が導入を見送ったため、経理業務による人的ミスや税務調査の煩雑さは減らず、当初の目的である利便性の向上は実現できない状態だったのです。

 

そこで2024年の法改正では、電子データ保存を義務化するとともに、要件を大幅に緩和し、企業の導入へのハードルを下げることになりました。

 

関連記事:電子帳簿保存法とは?改正内容から3つの区分まで徹底解説!

電子帳簿保存法の対象となる帳簿書類

今回の法改正によって、従来は紙での保管が義務化されていた帳簿や書類を、以下の3つの区分で電子データとして保存可能になりました。

 

【電子帳簿保存法の対象帳簿・書類】

  • 電子帳簿等保存の対象帳簿・書類【任意】
  • スキャナ保存の対象書類【任意】
  • 電子取引のデータ保存の対象【義務】

それぞれの区分について、対象の帳簿書類とあわせて詳しく解説します。

①電子帳簿等保存の対象帳簿・書類【任意】

電子帳簿等保存は、パソコンなどを使用して自分で作成した帳簿や書類をそのまま保存する方法です。

対象となるのは、会計ソフトなどのコンピューターで作成する以下の帳簿や書類になります。

 

【電子帳簿等保存の対象となる帳簿や書類】

  • 国税関係帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、経費帳、売上帳、仕訳帳など)
  • 決算関係書類(損益計算書、貸借対照表)
  • 取引関係書類の控え(見積書、請求書、領収書)

なお、電子帳簿等保存の適用は任意なので、希望者のみの対応になります。

 

②スキャナ保存の対象書類【任意】

スキャナ保存とは、紙で受領した請求書や領収書などの取引関係書類をスキャナやスマートフォンなどで読み取り、データを画像で保存する方法です。

 

対象となる書類には、手書きで作成した書類の写しや、取引先などから紙で受け取った書類が含まれます。

 

この書類は、資金や物の流れに直結・連動する重要書類と、直結・連動しない一般書類に振り分けられ、のちに解説する保存要件が少々異なります。

具体的な対象書類は、決算関係書類を除く、以下の国税関係書類です。

 

スキャナ保存の対象書類

重要書類  一般書類 
  • 契約書 
  • 領収書 
  • 預り証 
  • 借用書 
  • 預金通帳 
  • 小切手 
  • 約束手形 
  • 有価証券受渡計算書 
  • 社債申込書 
  • 契約の申込書(定型的約款無し)
  • 請求書 
  • 納品書 
  • 送り状 
  • 輸出証明書など 
  • 検収書 
  • 入庫報告書 
  • 貨物受領証 
  • 見積書 
  • 注文書 
  • 契約の申込書(定型的約約款有り) 

なお、スキャナ保存も、電子帳簿等保存と同様に希望者のみの対応となります。

 

 

 

参照元:国税庁 通則 【制度の概要等】

③電子取引のデータ保存の対象【義務】

電子取引は、クラウドサービスや電子メールなどで取引したデータを電子のまま保存する方法です。

電子取引を行うすべての事業者に、データ保存が義務づけられています。

対象となるのは、以下のデータです。

 

【電子取引の対象となるデータ例】

  • 電子メール
  • ホームページ
  • ペーパーレスFAX
  • クラウドサービス
  • EDIシステム
  • カード類(交通系ICカード、クレジットカード)
  • 記録媒体(DVD、USBなど)

電子取引の対象は、データでやり取りしたもののみで、紙でやり取りしたものはデータ化する必要はありません。

なお、書類の受け取ったときだけでなく、送った際もデータを保存する必要があることを覚えておきましょう。

 

参照元:国税庁 通則 【制度の概要等】

電子帳簿保存法の対象とならない書類

手書きで作成した帳簿や書類に関しては、電子データでの保存の対象にはなりません。

 

具体的には、手書きの総勘定元帳や仕訳帳などの“主要簿”、同じく手書きの売上帳や仕訳帳などの“補助簿”がこれに該当します。

また、パソコンなどで作成した書類のうえから、手書きで新たに情報を付加したものも同様に対象外です。

 

このように、手書きの帳簿や書類に関しては電子データでの保存は認められないため、書面で物理的に保存する必要があります。

電子帳簿保存法の罰則規定

電子帳簿保存法の対象事業者が保存要件を満たしていない場合、以下の罰則が科される可能性があります。

 

【電子帳簿保存法の罰則】

  • 追徴課税
  • 青色申告の承認取り消し
  • 会社法による過料

なお、この罰則は、災害などやむを得ない事情が正式に認められれば、ただちに違反とはなりません。

追徴課税

電子帳簿保存法の改正で、国税関係書類の電子データ上で悪質な改ざんや隠蔽があった場合、重加算税の加重措置が実施されることになりました。

 

この重加算税は、スキャナ保存と電子取引のデータ保存の2つが対象となります。

 

故意による仮装や隠蔽による不正が見つかった場合に、通常は追徴課税額の35%の重加算税が課されます。

 

しかし、それがスキャナ保存や電子取引のデータ保存に関わるものであれば、さらに10%が上乗せされ、課税されることになるのです。

青色申告の承認取り消し

電子帳簿保存法の罰則には、青色申告の承認の取り消しもあります。

 

2024年以降は、電子取引のデータ保存が完全義務化となったため、メールやWebサイトからの取引情報は要件に従ってデータ保存が必要となります。

 

つまり、紙ベースのデータだけの保存は認められません。

 

しかし、データ保存の不備があったとしても、すぐに青色申告の承認取り消しとなるわけではないので、安心してください。

青色申告の承認取り消しは、違反の程度やそのほかの状況を考慮して検討されたのち、決まります。

 

ただし、税務調査で帳簿書類の提示を求められたにもかかわらず、拒否した場合は例外です。

法人税法・所得税法にのっとり、青色申告の承認取り消し理由に該当することになります。

会社法による過料

電子帳簿保存法で違反が発覚した場合、“会社法”にも違反している可能性が高くなります。

会社法第976条の規定には、国税関係帳簿書類を適正に保存しなければ、100万円以下の過料が科せられることがあると明記されています。

 

このように電子帳簿保存法に違反すると、ほかの法律違反に接触する可能性もあるので、注意が必要です。

 

参照元:e-Gov法令検索「会社法 | 第九百七十六条」

電子帳簿保存法に違反する要因

電子帳簿保存法では気をつけていたにもかかわらず、知らずに違反してしまうケースもあるので注意が必要です。

 

【電子帳簿保存法に違反する要因】

  • データ保存の要件を満たせていない
  • 検索要件を満たせていない
  • 保存期限が過ぎている
  • 保存期間が足りていない

ここからは、法律違反になる要因を4つ解説します。

データ保存の要件を満たせていない

記事の後半で解説するデータ保存の要件を満たせていないと、違反の対象となります。

 

たとえば、請求書や領収書などをスキャナ保存する際は、入力期間や解像度などの要件を満たさなければいけません。

検索要件を満たせていない

2022年の法改正により、電子文書の検索項目が取引年月日、取引先名、取引金額の3項目に緩和されました。

 

法改正によって検索項目が少なくなったものの、データ保存する際は上記の3項目で検索できるようにしておかなければなりません。

 

たとえば、データのファイル名を“20241205_キャスター商事_120000.pdf”のようにすることで、項目それぞれで検索ができます。

入力期限が過ぎている

電子帳簿保存法の要件を満たすためには、請求書などの紙書類を受け取ったあと“最長2ヶ月とおおむね7営業日以内”に電子データ化しなければなりません。

 

つまり、紙書類を受け取ったあと、半年近く経過してからまとめて電子データ化するといった対応は、基本的にできないので注意しましょう。

保存期間が足りていない

保存が義務付けられている期間中に、データを紛失・破棄してしまったケースも違反になります。

たとえば、請求書の場合、法人で7年・個人では5年間保存することが原則です。

 

また、保存期間の開始地点にも注意します。

請求書での起算点は“発行日”や“受領日”と思われがちですが、法人の場合は“事業年度の確定申告書提出期限の翌日から7年間”です。

電子帳簿保存法の保存要件

それでは、電子帳簿保存法に対応するにあたって、保存要件(ルール)について詳しく解説します。

 

【電子帳簿保存法の保存要件】

  • 電子帳簿等保存
  • スキャナ保存
  • 電子取引のデータ保存

帳簿や書類が以下の3つの区分のうちどれに該当し、どのような保存要件に応じる必要があるのか、確認していきましょう。

 

①電子帳簿等保存

 

パソコン等で作成した帳簿・書類をデータで保存するための要件

要件概要  帳簿  書類 
優良  その他 
記録事項の訂正・削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認できる電子計算機処理システムを使⽤すること       
通常の業務処理期間を経過した後に入力を行った場合には、その事実を確認できる電子計算機処理システムを使⽤すること       
電子化した帳簿の記録事項とその帳簿に関連する他の帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認できること       
システム関係書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)を備え付けること       
保存場所に、電子計算機、プログラム、ディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、記録事項を画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと       

検索 

要件 

取引年⽉日、取引金額、取引先により検索できること       

※3 

日付又は金額の範囲指定により検索できること   

※1 

   

※3 

2以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること   

※1 

   
税務職員による質問検査権に基づく電子データのダウンロードの求めに応じることができるようにしておくこと   

※1 

 

※2 

 

※3 

※1検索要件①~③について、ダウンロードの求めに応じられるようにしている場合には、②③の要件が不要。

 

※2「優良」欄の要件をすべて満たしているときは不要。

 

※3取引年月日その他の日付により検索ができる機能およびその範囲を指定して条件を設定できる機能を確保している場合には、ダウンロードの求めに応じることができるようにしておくことの要件が不要。

 

電子帳簿等保存の保存要件は表の通りとなり、帳簿保存と書類保存で満たすべき条件が少々異なります。

表を簡潔にわかりやすくしたものが、以下になります。

 

【電子帳簿等保存の保存要件の概要(帳簿・書類)】

    1. 訂正・削除の履歴が残る
    2. 通常の業務処理期間が経過したあとの入力は、その事実が確認できる
    3. 帳簿記録事項と、関連するほかの帳簿の記録事項の相互に関連性が確認できる
    4. システム関係書類を備え付ける
    5. 検索条件

 

①取引年月日・取引金額・取引先によって検索できる

②日付または金額の範囲指定で検索できる

③2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件で検索できる

  1. 電子データのダウンロードがいつでもできる

優良な帳簿保存の場合、概要1~5を満たさなければなりません。

 

また、6.電子データのダウンロードがいつでもできる状態であれば、5.②と5.③の要件は不要です。

 

一方で、その他の帳簿保存の場合は、3.4.6を満たす必要があります。

優良な電子帳簿に該当し保存すると、あとから過少申告が判明しても、過少申告課税が5%軽減されるといった措置を受けることができます。

 

ただし、あらかじめ特例の適用を受ける旨の届け出が必要です。

書類の保存では、3.4.6を満たす必要があります。

ただし、5.①,5.②の機能があれば、6は不要です。

 

引用元:国税庁 電子帳簿保存法「はじめませんか、帳簿・書類のデータ保存」

 

②スキャナ保存

 

スキャナ保存を行うためのルール

  重要書類  一般書類 
書類の例  契約書、納品書、請求書、領収書など  見積書、注文書、検収書など 
入力期間の制限  次のどちらかの期間内に入力すること 

書類を作成または受領してから、速やか(おおむね7営業日以内)にスキャナ保存する(早期入力方式) 

それぞれの企業で採用している業務処理サイクルの期間(最長2か⽉以内)を経過後、速やか(おおむね7営業日以内)にスキャナ保存する(業務処理サイクル方式) 

②の業務処理サイクル方式は、企業において書類を作成または受領してからスキャナ保存するまでの各事務の処理規程を定めている場合のみ採用できます(注1 

一定の解像度による読み取り  解像度200dpi相当以上で読み取ること 

 

カラー画像による読み取り  赤色、緑色および青色の階調がそれぞれ256階調以上(24ビットカラー)で読み取ること(注2 
タイムスタンプの付与  入力期間内に、総務大臣が認定する業務に係るタイムスタンプ(※1)を、一の入力単位ごとのスキャナデータに付すこと 

※1 スキャナデータが変更されていないことについて、保存期間を通じて確認することができ、課税期間中の任意の期間を指定し、一括して検証することができるものに限ります  

※2 入力期間内にスキャナ保存したことを確認できる場合には、このタイムスタンプの付与要件に代えることができます 

ヴァージョン管理  スキャナデータについて訂正・削除の事実やその内容を確認することができるシステム等または訂正・削除を行うことができないシステム等を使用すること 
帳簿との相互関連性の確保  スキャナデータと、そのデータに関連する帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認できるようにしておくこと  不要 
見読可能装置等の備付け  14インチ(映像画面の最大径が35cm)以上のカラーディスプレイ及びカラープリンタ並びに操作説明書を備え付けること(注3 
速やかに出力すること  スキャナデータについて、次の①~④の状態で速やかに出力することができるようにすること 

整然とした形式 

書類と同程度に明瞭 

拡大又は縮小して出力することができる 

④4ポイントの大きさの文字を認識できる 

システム概要書等の備付け  スキャナ保存するシステム等のシステム概要書、システム仕様書、操作説明書、スキャナ保存する手順や担当部署などを明らかにした書類を備え付けること 
検索機能の確保  スキャナデータについて、次の要件による検索ができるようにすること 

取引年⽉日その他の日付、取引金額及び取引先での検索 

日付又は金額に係る記録項目について範囲を指定しての検索 

③2以上の任意の記録項目を組み合わせての検索 

※税務職員による質問検査権に基づくスキャナデータのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、②及び③の要件は不要 

注1 一般書類の場合は、入力期間の制限なく入力することもできます

 

注2一般書類の場合は、白黒階調(グレースケール)で読み取ることもできます

なお、注1注2の一般書類向けのルールを採用する場合は、事務の手続き(責任者、入力の順序や方法など)を明らかにした書類を備え付ける

 

注3白黒階調(グレースケール)で読み取った一般書類は、カラー対応でないディスプレイおよびプリンタでの出力で問題ありません

 

スキャン保存の要件は非常に細かいですが、上記一定の要件を満たさなければ、証拠として認められないので注意しましょう。

なお、スキャン保存の要件は多岐に渡るため、基本的には会計システムや経費計算ソフトを利用するのがおすすめです。

 

引用元:国税庁 電子帳簿保存法「はじませんか、書類のスキャナ保存」

 

③電子取引のデータ保存

 

電子取引データ保存の要件

  保存要件  概要 
真実性の確保  ①タイムスタンプの付与  下記のいずれかの措置をとる 

(1)タイムスタンプが付与された取引情報を受領する 

(2)取引情報の受領後、速やかにタイムスタンプを付与するとともに、保存の実行者または監視者に関する情報を確認できる環境を整える 

(3)訂正や削除を確認できるシステム、もしくは訂正や削除ができないシステムで取引情報の受領および保存をおこなう 

(4)訂正や削除の防止に関する事務処理規定を定め、それに沿った運用をおこなう 

可視性の確保  ②関連書類の備え付け  システムの概要を記載した関連書類を備え付ける(システム概要書・システム基本設計書など) 
見読性の確保  保存場所に、電子計算機・プログラム・ディスプレイおよびプリンタならびにこれらの操作説明書を備え付ける 

さらに、電磁的記録をディスプレイの画面および書面に整然とした形式および明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておく 

検索機能の確保  下記の条件で検索できるようにする 

(1)“取引年月日”“取引先”“取引金額”の3項目 

(2)“取引年月日”または“取引金額”の範囲指定 

(3)複数の記録項目の組み合わせ 

真実性の確保については、保存要件のすべてに電子データに改ざんがなく、確実に存在していたことを証明できる“タイムスタンプの付与”が必要です。

また、①の(1)(2)(3)(4)すべての条件を満たすことはなく、いずれか1つを満たせていれば問題ありません。

 

対して、可視性の確保では、②③④のすべてを満たす必要があります。

ただし、税務調査の際に、ダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合は、④の(2)(3)は不要です。

 

基準期間の売上高が5,000万円以下の方については、ダウンロードの求めに対応できるようにしているのであれば、④の(1)(2)(3)すべてが不要となります。

 

参照元:Ⅱ 適用条件 【基本的事項】

電子帳簿保存法に違反しないための対策

電子帳簿保存のルールが非常に細かいことは、おわかりいただけたかと思います。

しかしルールを守らなければ、罰則を受ける可能性があるので、知らないうちに違反しないためにも以下のような対策を講じましょう。

 

【電子帳簿保存法に違反しないための対策】

  • 業務フローの作成
  • 社員のコンプライアンス教育
  • 会計ソフトの導入

詳しく解説します。

対策①業務フローの作成

電子帳簿保存法に対応するためには、業務フローを見直し、電子化に対応した体制を整えることを徹底しましょう。

第一に、現状の業務フローを分析し、承認プロセスといった電子化に伴う変更点を明確にしてください。

 

その後、電子データの保存方法や場所を設定し、社内ルールを整備したら、社員全員への周知や教育を行い、新しい業務フローを作成します。

 

このように、組織全体がスムーズに対応できる体制を構築することが重要です。

対策②社員のコンプライアンス教育

電子帳簿保存法の違反を防止するためには、文書を扱う担当者だけでなく社員全員にコンプライアンス教育を行い、一人ひとりの意識を高めることも大切です。

 

紙ベースの帳簿や書類を電子文書化する際に、不正が発生しやすい傾向にあります。

 

保存要件の正しい知識を身につけてもらうためにも、社内で定期的に研修を実施し、電子帳簿保存法に対応できる人材を育成しましょう。

対策③会計ソフトの導入

電子帳簿保存法に対応するためには、適切な会計システムやクラウドサービスを導入するのも一案です。

電子帳簿保存法に従って帳簿や書類を保存するには、各区分で定められた要件を満たす必要があります。

 

しかし、対応すべきルールも多く複雑なので、自社で運用するとなると、担当者の負担が大きくなりがちです。

 

法律要件を満たす会計システムを導入すれば、担当者の負担が減り、業務全体の効率が向上するだけでなく、改ざんや紛失、罰則のリスクも軽減することができます。

また、将来的な法改正で変更点があった場合でも、自動でアップデートしてくれるので安心です。

 

関連記事:電子帳簿保存システムとは?その要件や導入のメリットを解説

電子帳簿保存法を違反すると、追徴課税や過料を支払う可能性がある

本記事では、電子帳簿保存法を違反した際に課される罰則について解説しました。

電子帳簿保存法の改正で、データの保存方法によっては要件を満たせず、追徴課税や罰金の対象となってしまう可能性があります。

 

したがって、データの改ざんや破損、紛失などを防止できて、電子帳簿保存法に適したシステムを導入すれば、思わぬ違反を防ぐことができるでしょう。

それだけでなく、法改正による要件変更にも迅速に対応してもらえます。

 

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