経理BPOとは?業務範囲・メリット・やめとけと言われる理由・費用相場・サービス3選

「経理担当者の採用がうまくいかない」
「担当者が1人に集中していて退職リスクが不安」
「法改正への対応に追われて本業に集中できない」
このような悩みを抱える企業にとって、経理BPOは有力な選択肢の一つです。
経理BPOとは、記帳や請求書処理、経費精算、決算業務などの経理業務を、外部の専門会社に委託する仕組みです。
単なる作業代行ではなく、業務フローの見直しや標準化まで含めて任せられる点に特徴があります。
本記事では、経理BPOの基本的な仕組みや委託できる業務範囲、導入メリット、注意点、費用相場を徹底解説。
サービスの比較ポイントや経理BPOサービス3選も紹介しています。
この記事を読めば、自社に合う経理BPOの選び方と、導入前に確認すべきポイントがわかるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
経理BPOとは?
経理BPOとは、企業の経理業務の一部または全体を、専門知識を持つ外部事業者に委託する方法です。
BPOは「Business Process Outsourcing」の略で、単なる記帳代行にとどまらず、業務フローの見直しや電子化、クラウド活用まで含めて支援を受けられる点が特徴です。
経理担当者の負担軽減や人手不足への対応、業務品質の安定化を目的に導入されるケースも増えています。
ここでは、以下の内容を解説します。
- 経理アウトソーシングとの違い
- 市場規模・注目されている背景
- 電子化やクラウド会計との関係性
それぞれ見ていきましょう。
経理アウトソーシングとの違い
経理BPOと経理アウトソーシングは似た言葉ですが、委託の考え方に違いがあります。
経理アウトソーシングは、記帳や請求書処理など、個別の経理業務を切り出して外部へ任せる形が中心です。
一方、経理BPOは単なる作業代行にとどまらず、業務フロー全体の整理や運用改善まで含めて委託する点に特徴があります。
違いを整理すると、以下のとおりです。
| 比較項目 | 経理BPO | 経理アウトソーシング |
|---|---|---|
| 主な目的 | 経理業務全体の効率化や標準化、体制整備を進めること | 特定の経理業務の負担を減らすこと |
| 委託範囲 | 業務プロセス全体や複数業務にまたがる範囲 | 記帳代行、請求書処理など個別業務単位 |
| 向いている企業 | 人手不足の解消に加え、業務改善やDXも進めたい企業 | 繁忙期の負担軽減や一部業務だけ外注したい企業 |
一部の実務を外に出したい場合は経理アウトソーシングでも対応できますが、経理体制そのものを見直したい場合は経理BPOのほうが適しています。
単なる人手の補完として考えるのではなく、自社の課題が「作業負担」なのか「業務設計」なのかを切り分けたうえで選ぶことが大切です。
市場規模・注目されている背景
経理BPOが注目されている背景には、経理部門を取り巻く環境変化があります。
BPO市場全体は拡大傾向にあり、国内BPO市場は2024年度に前年度比4.0%増の5兆786億5,000万円と推計されています。
経理BPOも、こうした流れの中で関心が高まっている分野の一つです。
出典:株式会社矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査を実施(2025年)」
注目が集まる主な理由は、次の3つです。
- 少子高齢化に伴う労働力不足で、経理人材の確保が難しくなっている
- DX推進の流れの中で、紙や属人的な経理運用の見直しが求められている
- インボイス制度や電子帳簿保存法への対応で、経理業務が複雑化している
特に、インボイス制度は2023年10月1日に開始され、電子帳簿保存法でも電子取引データの保存対応が必要になりました。
こうした制度対応を自社だけで抱え込むのが難しくなり、外部の専門人材や仕組みを活用して、経理業務を安定運用したいと考える企業が増えています。
電子化やクラウド会計との関係性
経理BPOの導入が進んでいる背景には、経理業務の電子化やクラウド化があります。
請求書や領収書、会計データをオンラインで共有しやすくなったことで、紙の受け渡しや対面対応に頼らず、外部の専門会社と業務を進められるようになりました。
特に、クラウド型の会計システムなどを導入している企業では、委託先と同じデータを確認しながら業務を進めやすいため、経理BPOとの相性は良好です。
経理BPOは、業務を外に出すだけでなく、電子化や業務改善を進める手段としても活用されています。
経理BPOと相性のよいクラウド会計について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:クラウド会計導入のメリット徹底解説!失敗しないための導入ステップと支援サービスの選び方
経理BPOで委託できる主な業務範囲
ここからは、経理BPOで委託できる主な業務範囲を紹介します。
- 日常的な定型業務(記帳代行・請求書処理・経費精算など)
- 月次・年次業務(月次決算・年末調整など)
- 非定型・専門業務(年次決算・フロー改善・顧問税理士連携など)
日常的な定型業務(記帳代行・請求書処理・経費精算など)
経理BPOが特に対応しやすいのが、日常的に発生する定型業務です。
毎日・毎週のように発生し、手順がある程度決まっている業務は、外部へ委託しやすい傾向があります。
代表的な業務は、以下のとおりです。
- 会計データの入力
- 請求書の発行・処理
- 振込や支払処理
- 入金確認・消込
- 経費精算のチェック
こうした業務は1件ごとの負荷は大きくなくても、件数が増えると担当者の負担が重くなりやすい領域です。
作業量が多いぶん、入力ミスや確認漏れも起こりやすくなります。
定型業務を経理BPOに任せることで、社内の工数を削減しつつ、経理担当者は確認や判断が必要な業務に集中できます。
月次・年次業務(月次決算・年末調整など)
経理BPOでは、日々の処理だけでなく、月ごと・年ごとに発生する経理業務も委託できます。
一定の専門知識や正確なスケジュール管理が求められるため、社内負担が大きくなりやすい業務です。
代表的な業務は、以下のとおりです。
- 月次決算資料の作成
- 売掛金・買掛金の管理
- 試算表の作成
- 年末調整の事務対応
- 決算前の資料整理
月次・年次業務は、日常業務の延長にある一方で、締め日や提出期限に合わせて正確に進める必要があります。
通常業務と並行して対応すると負荷が集中しやすいため、経理BPOを活用することで繁忙期の負担を抑えられます。
月次決算の効率化について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:忙しい経理必見、月次決算早期化のススメ
非定型・専門業務(年次決算・フロー改善・顧問税理士連携など)
経理BPOでは、定型業務だけでなく、判断や調整が必要な非定型業務に対応するサービスもあります。
業務量が一定ではなく、社内だけで対応しにくい場面で活用されやすい領域です。
代表的な業務は、以下のとおりです。
- 年次決算に向けた資料準備
- 経理フローの見直し・改善
- 書類管理や申請フローの整備
- 顧問税理士との連携
- 経理体制の標準化支援
こうした業務は、単なる作業代行ではなく、経理体制そのものを整える目的で委託されるケースも少なくありません。
特に、属人化の解消や業務の標準化を進めたい企業では、非定型・専門業務まで対応できる経理BPOの価値が大きくなります。
中小企業が経理BPOを導入する5つのメリット
リソースが限られている中小企業にとって、経理BPOの導入は以下のようなメリットをもたらします。
- 利益に直結するコア業務に集中できる
- 慢性的な人材不足と属人化リスクを解消できる
- 固定費を変動費化し、コストを最適化できる
- 業務を標準化し、品質が向上する
- 法改正に対応し、コンプライアンス体制が強化される
それぞれ詳しく解説します。
利益に直結するコア業務に集中できる
経理BPOを導入する大きなメリットは、社内の人員が売上や事業成長に直結する業務へ集中できる点です。
記帳や請求書処理、経費精算などの経理業務は欠かせませんが、直接利益を生む業務ではありません。
こうしたノンコア業務を外部へ委託することで、営業や顧客対応、商品開発など、優先度の高い業務に時間を振り向けやすくなります。
限られた人数で事業を回す中小企業ほど、経理BPOによる時間創出の効果は大きくなります。
慢性的な人材不足と属人化リスク(退職・休職)を解消できる
中小企業では、経理経験者の採用や育成が難しく、特定の担当者に業務が集中しやすい傾向があります。
経理BPOを活用すると、社内で人材を抱え込まなくても、外部の専門人材による体制を確保できます。
特に、次のような課題の解消が可能です。
- 経理経験者を採用できない
- 担当者1人に業務が集中している
- 退職や休職で業務が止まる不安がある
- 引き継ぎが不十分で対応できる人がいない
経理BPOは個人ではなく、複数人の体制で業務を支えるケースが多いため、担当者不在による業務停止リスクを抑えやすい点も強みです。
固定費を変動費化し、コストを最適化できる
経理担当者を自社で雇用すると、毎月一定の人件費が発生するだけでなく、採用や教育にも継続的なコストがかかります。
経理BPOを活用すれば、こうした支出を業務量に応じて調整でき、経理体制にかかるコストを見直しやすくなります。
特に、見直しやすい費用は以下のとおりです。
- 採用活動にかかる費用
- 研修や引き継ぎにかかる費用
- 賞与や社会保険料を含む固定的人件費
- 繁忙期に備えた余剰人員コスト
繁忙期は委託範囲を広げ、業務量が落ち着く時期は必要最小限に抑えるなど、状況に応じて調整できる点もメリットです。
結果として、固定費を抱えすぎず、自社に合ったコスト配分が実現します。
業務を標準化し、品質が向上する
経理BPOを導入すると、業務の進め方を標準化しやすくなり、経理業務全体の品質向上につながります。
経理業務が属人化すると、担当者ごとに進め方がばらつきやすく、確認漏れや入力ミスが起こる原因になりかねません。
外部の視点で業務フローや確認方法を整理することで、ブラックボックス化した運用を見直しやすくなります。
結果として、安定した経理体制を構築できるでしょう。
法改正に対応し、コンプライアンス体制が強化される
経理業務では、制度改正やルール変更への対応が欠かせません。
近年はインボイス制度や電子帳簿保存法など、経理担当者が押さえるべき論点も増えています。
経理BPOを活用すれば、こうした制度対応に慣れた専門人材の支援を受けやすくなり、自社だけで対応するよりも正確な運用を実現しやすくなります。
法令対応の漏れや処理ミスによるリスクを抑え、企業としての信頼性向上にもつながります。
インボイス制度が経費精算や経費処理に与える影響を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:インボイス制度の導入で経費精算と経費処理はどう変わる?
経理BPO(アウトソーシング)はやめとけと言われる理由と注意点
経理BPOには多くのメリットがありますが、一方で「やめとけ」といった否定的な意見があるのも事実です。
導入前の準備や業者選びが不十分なまま委託すると、かえって業務が混乱したり、想定した効果が得られなかったりすることがあります。
ここでは、経理BPOが「やめとけ」と言われる主な理由や、導入前に押さえたい注意点を解説します。
- 自社に経理ノウハウが残りにくくなる
- 情報漏洩のリスクがある
- 連携不足で現場負担が増えやすい
- プラン選定を誤ると割高になりやすい
- 税理士法に抵触する業務は委託できない
順に見ていきましょう。
自社に経理ノウハウが残りにくくなる
経理BPOを活用すると業務負担は軽減できますが、委託範囲が広すぎると、経理に関する知識や運用ノウハウが社内に残りにくくなる点には注意が必要です。
日々の実務をほぼ外部に任せる状態が続くと、担当者が業務の流れや判断基準を把握しにくくなり、経理体制を内製化したい場面で対応しづらくなることがあります。
将来的に組織拡大や方針変更で内製へ切り替える可能性があるなら、すべてを任せきるのではなく、社内にも一定の知見が残る体制を意識することが大切です。
情報漏洩のリスクがある
経理BPOでは、財務情報や取引先情報、従業員の給与情報など、機密性の高いデータを外部へ共有することになります。
そのため、委託先の情報管理体制は事前に必ず確認する必要があります。
特に、以下の点は確認しておきたいポイントです。
- 閲覧権限やアクセス制御が適切に設定されているか
- データの送受信や保管方法に安全性があるか
- セキュリティに関する社内ルールや運用体制が整っているか
- プライバシーマークやISO/ISMS認証など、第三者認証の取得状況が明示されているか
価格や対応範囲だけで選ぶのではなく、安心して機密情報を預けられる体制があるかまで見極めることが重要です。
連携不足で現場負担が増えやすい
経理BPOは、委託先との連携がうまく設計されていないと、かえって現場の負担が増えることがあります。
たとえば、どこまでを委託先が担当し、どこからを自社が対応するのかが曖昧だと、確認や修正依頼が増えやすくなります。
さらに、領収書の提出遅れやイレギュラー取引の共有漏れがあると、委託先が処理を進められず、結果的に社内側の対応工数が増えることも少なくありません。
導入前に役割分担や連絡方法、締め日のルールを明確にしておくことが大切です。
プラン選定を誤ると割高になりやすい
経理BPOは便利な反面、契約内容と実際の業務量が合っていないと、想定より費用が膨らむことがあります。
基本料金だけで判断すると、導入後に追加費用が発生し、割高に感じるケースもあります。
特に注意したいのは、以下のような費用です。
- 伝票件数や処理量に応じた従量課金
- 年末調整や決算対応などの追加料金
- イレギュラー対応や個別依頼にかかるオプション費用
- 定例ミーティングやレポート作成に関する追加費用
料金表を見るときは月額費用だけでなく、どこから追加料金が発生するのかまで確認しておくことが重要です。
税理士法に抵触する業務は委託できない
経理業務の中には、一般的なBPO事業者では対応できない業務もあります。
たとえば、税務申告書の作成や税務相談などは、税理士資格を持つ者だけが行える業務です。
一般的な経理BPOは、記帳や請求書処理、資料整理などには対応できても、税務判断や申告代理まで担えるとは限りません。
決算や申告に関わる業務まで委託したい場合は、税理士法人との連携体制があるか、自社の顧問税理士とスムーズに連携できるかを事前に確認しておく必要があります。
税理士への依頼範囲との違いを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:税理士に経理代行を全部任せるのは損?費用対効果を最大化する賢い使い分けとは
経理BPOの費用相場
経理BPOの費用は、委託する業務範囲や取引量、事業規模によって大きく変わります。
記帳中心の小規模な依頼なら比較的低コストで導入しやすい一方、請求書処理や経費精算まで含めて委託する場合は費用も上がります。
まずは、自社がどこまで任せたいのかを整理したうえで、相場感を把握することが大切です。
- 小規模(記帳メイン):月額1万〜3万円程度
- 中規模(請求・経費精算込):月額10万〜30万円程度
- 決算代行(単発):5万〜30万円程度
順に解説します。
小規模(記帳メイン):月額1万〜3万円程度
取引の数がそれほど多くなく、日々の記帳代行(会計ソフトへの入力作業)のみを依頼する場合、費用相場は月額1万円〜3万円程度です。
専門的な判断を必要とする業務が少なく、主に単純なデータ入力作業が中心となるため、比較的コストを抑えられます。
たとえば、月に処理する仕訳(取引の記録)が100件程度であれば約1万円、などの料金設定が目安です。
事業を始めたばかりのスタートアップ企業や個人事業主が、クラウド会計ソフトへの入力作業だけを専門家に任せたい場合によく利用されます。
中規模(請求・経費精算込):月額10万〜30万円程度
日々の記帳作業に加えて、請求書の発行や経費精算など、経理業務全般をまとめて委託する場合、費用相場は月額10万円〜30万円程度です。
この価格帯では、複数の業務プロセスを横断して管理する必要があり、一定の専門知識と作業時間が必要になるため、記帳のみの場合よりも費用は高くなります。
従業員数が20名〜50名規模の中小企業が、社内に経理部門を置く代わりに、その機能をまるごと外部に持たせるようなケースが該当します。
決算代行(単発):5万〜30万円程度
毎月の業務は自社で行ない、年に一度の決算業務や税務申告の準備だけをスポットで依頼できます。
一般的なBPO事業者(非税理士)に決算処理の代行を依頼する場合は、5万円〜20万円前後が目安です。
一方、税理士事務所に申告書の作成まで含めて直接契約で依頼する場合は、15万円〜25万円程度が相場です。
短期間で、高度な専門知識にもとづいた正確な処理が求められるため、一定の費用がかかります。
決算期だけ専門家の支援を受けたい企業や、繁忙期の負担を減らしたい企業に向いています。
経理BPOサービスの選び方|比較ポイント5つ
経理BPOサービスを選ぶ際は、料金の安さだけで決めるのではなく、自社の課題や運用体制に合っているかを総合的に見極めることが大切です。
特に、以下の5点は事前に確認しておきましょう。
- 自社の課題(工数削減かDX推進か)と対応範囲が合っているか
- 実績・信頼性と高度なセキュリティ体制があるか
- 長期的な費用対効果は見合うか
- マニュアルの要否や定例ミーティング・レポート提出はあるか
- トライアル(お試し)が可能か
順に解説します。
1.自社の課題(工数削減かDX推進か)と対応範囲が合っているか
経理BPOサービスを選ぶ前に、まず整理したいのが「何を目的に導入するのか」です。
単純に入力作業や請求処理の負担を減らしたいのか、業務フロー全体を見直して電子化やDXを進めたいのかによって、選ぶべきサービスは変わります。
そのため、自社が求めるのが部分的な業務代行なのか、業務改善まで含む支援なのかを明確にしたうえで、対応範囲を確認することが重要です。
2.実績・信頼性と高度なセキュリティ体制があるか
経理BPOでは、自社の財務情報や取引先情報、従業員情報などを委託先に共有するため、信頼性の確認は欠かせません。
特に、自社と近い規模や業種での導入実績があるかは、安心して任せられるかを判断する材料になります。
確認したいポイントは、以下のとおりです。
- 自社と近い業種・規模での導入実績があるか
- 情報セキュリティポリシーを公開しているか
- プライバシーマークやISO/ISMS認証などを取得しているか
- アクセス権限やデータ管理の体制が整っているか
価格や知名度だけで判断せず、安心して重要情報を預けられる体制があるかまで確認しておきましょう。
3.長期的な費用対効果は見合うか
経理BPOを比較する際は、月額料金の安さだけで判断しないことが大切です。
費用が低く見えても、自社の課題解決につながらなければ、十分な効果は得られません。
重要なのは、支払う金額に対してどれだけ社内負担が減り、経理体制の改善につながるかを見極めることです。
たとえば、次のような観点で確認しておくと安心です。
- 経理担当者の工数をどれだけ削減できるか
- 属人化や業務停滞のリスクをどこまで減らせるか
- 月次業務の精度やスピードが改善するか
- 電子化や業務標準化まで進められるか
単なる価格比較ではなく、社内工数の削減や運用品質の改善まで含めて、長期的に見合うかを判断することが重要です。
4.マニュアルの要否や定例ミーティング・レポート提出はあるか
経理BPOは、導入時の引き継ぎや導入後の情報共有が不十分だと、期待した効果が出にくくなります。
そのため、業務マニュアルをどちらが用意するのか、定例ミーティングやレポート提出の有無など、コミュニケーション体制を事前に確認しておくことが大切です。
特に、導入後も進捗や課題を共有できる仕組みがあるサービスなら、業務のブラックボックス化を防ぎやすく、改善にもつなげやすくなります。
5.トライアル(お試し)が可能か
本格的に長期契約を結ぶ前に、一部の業務だけを短期間でお試しで依頼できる「トライアル導入」が可能かを確認することをおすすめします。
実際に依頼してみることで、資料だけでは分からなかった対応のスピードや品質、担当者とのコミュニケーションの取りやすさなど、自社との相性をリスクなく見極められます。
まずは記帳代行などの一部業務から試し、問題なく進められると判断してから委託範囲を広げる進め方なら、本格導入後のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。
経理BPO導入までの4つのステップ
経理BPOをスムーズに導入するには、いきなり委託を始めるのではなく、目的整理から運用開始後の見直しまで段階的に進めることが大切です。
一般的には、次の4ステップで進めます。
- ステップ1:委託する目的と業務範囲の明確化
- ステップ2:サービス会社の比較検討と選定
- ステップ3:契約手続きと委託開始
- ステップ4:導入後の情報共有と改善サイクルの策定
順に見ていきましょう。
ステップ1:委託する目的と業務範囲の明確化
最初に整理したいのは、「なぜ経理BPOを導入するのか」と「どの業務をどこまで委託するのか」です。
目的や委託範囲が曖昧なまま進めると、サービス選定の軸がぶれやすくなり、導入後のミスマッチにもつながります。
まずは社内の経理業務を洗い出し、外部へ任せる業務と社内に残す業務を切り分けることが重要です。
必要に応じて、要件を文書化しておくと、その後の比較検討も進めやすくなります。
ステップ2:サービス会社の比較検討と選定
委託したい業務範囲が固まったら、複数のサービス会社を比較し、自社に合う委託先を選定します。
1社だけで決めるのではなく、複数社の提案を見比べることで、自社に必要な支援内容や相場感も把握できます。
比較時は、以下のような項目を確認しておくと安心です。
- 対応できる業務範囲
- 費用体系と追加料金の有無
- セキュリティ体制
- 導入実績や支援体制
- 担当者とのコミュニケーションのしやすさ
提案内容だけでなく、実際に担当者と話したときの対応も確認し、長く付き合えるパートナーかどうかを見極めることが大切です。
ステップ3:契約手続きと委託開始
比較検討を経て依頼する会社が決まったら、正式に契約手続きを進めましょう。
この際、委託する業務内容や双方の責任範囲、費用などを明記した「業務委託契約書」と、情報の取り扱いに関するルールを定めた「秘密保持契約(NDA)」を締結します。
契約が完了したら、業務マニュアルの共有やシステム権限の付与、関係者間での認識合わせを行ない、実際の運用開始に備えます。
導入初期の段階で認識のずれを減らしておくことが、スムーズな立ち上がりにつながるでしょう。
ステップ4:導入後の情報共有と改善サイクルの策定
経理BPOは、契約して終わりではありません。
定期的に情報共有の場を設け、業務プロセスを見直しながら改善を続けることが、効果を高めるポイントです。
運用の中で発生した課題や、イレギュラー対応のルールを早めに整理し、PDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルを回していきましょう。
月1回の定例ミーティングなどを通じて、委託先から改善提案を受けながら、継続的な連携体制を築くことが大切です。
経理BPOサービス3選
経理BPOサービスは、対応できる業務範囲や支援体制、強みがサービスごとに異なります。
自社に合う委託先を選ぶには、料金だけでなく、どのような支援に強みを持つかまで比較することが大切です。
ここでは、特徴の異なる代表的な3つのサービスを紹介します。
| サービス名 | 特徴 |
|---|---|
| CASTER BIZ accounting | 採用率1%の高スキル人材による専属チーム体制で、クラウド会計導入から月次・年次処理までオンラインで一貫対応 |
| パーソルビジネスプロセスデザイン | 経費精算・債務管理・債権管理などの経理BPOに加え、業務標準化や運用設計まで含めて大規模に支援できる |
| Merry Biz | 日本全国のプロ経理人材による専属チームで、日常経理から業務改善まで自社フローに合わせて柔軟に設計できる |
それぞれ詳細を見ていきましょう。
CASTER BIZ accounting
CASTER BIZ accountingは、オンラインで経理業務を支援する月額制の経理代行サービスです。
記帳や請求・支払、月次・年次処理に加え、クラウド会計の導入支援や業務フローの見直しまで対応しています。
採用率1%の基準をクリアした人材を中心に、専属チームで支援を行なっています。
| 特徴 |
|
|---|---|
| 代行業務内容 | 経費精算、売上・請求業務、買掛・支払業務、月次・年次処理、税理士対応、クラウド会計導入サポートなど |
| 料金体系 | 月額制(従業員数・業務範囲に応じて見積もり) |
| 料金 |
※料金は目安 |
| セキュリティ | プライバシーマーク・ISO/IEC 27001(ISMS)取得 |
| 実績 | グループ全体で累計導入社数6,000社以上 |
| 所在地 | 【本社】東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエストタワー1・2階LIFORK大手町 R06 【本店】宮崎県西都市鹿野田11365-1 神楽酒造内 アグリ館2階 |
| URL | https://accounting.cast-er.com/ |
パーソルビジネスプロセスデザイン
パーソルビジネスプロセスデザインは、経費精算や債務管理、債権管理などに対応する経理BPOサービスを提供しています。
業務の可視化や標準化、運用体制の設計から運用開始後の改善提案まで含めて支援している点が特徴です。
| 特徴 |
|
|---|---|
| 代行業務内容 | 経費精算、債務管理、債権管理、証憑のシステム入力業務、仕訳処理、消込、照合、請求書内容確認、仕訳作成、経理業務のDX化支援 など |
| 料金体系 |
|
| 料金 | 要問合せ |
| セキュリティ | プライバシーマーク、ISMS取得 |
| 実績 |
|
| 所在地 | 【本社】東京都港区芝浦3丁目4-1 グランパークタワー33F 【本店】東京都江東区豊洲3-2-20 豊洲フロント7F |
| URL | https://www.persol-bd.co.jp/ |
Merry Biz(メリービズ)
Merry Biz(メリービズ)は、経理業務に特化したオンラインアウトソーシングサービスです。
専属チームで日常の経理実務から業務改善、クラウド会計導入支援まで対応しており、自社の業務フローに合わせて柔軟に設計しやすい点が特徴です。
東証一部上場企業から中堅・中小企業、スタートアップまで幅広い企業で利用されています。
| 特徴 |
|
|---|---|
| 代行業務内容 | 月次仕訳入力、売上請求・入金管理、支払請求管理・支払実施、経費精算、給与支払い、残高確認、手書き売上伝票の集計・チェック、月次決算業務、クラウド会計導入支援、業務プロセス変革支援 など |
| 料金体系 | 要問合せ |
| 料金 | 要問合せ |
| セキュリティ | プライバシーマーク取得 |
| 実績 | 累計取扱会計金額1500億円突破 |
| 所在地 | 東京都渋谷区円山町28-3 いちご渋谷道玄坂ビル2階 |
| URL | https://merrybiz.jp/ |
自社に合う委託先を見極めるには、経理BPOだけでなく、経理アウトソーシング全体の違いや選び方もあわせて整理しておくと比較しやすくなります。
以下の記事も参考にしてください。
関連記事:【2025年版】経理アウトソーシング徹底比較と選び方完全ガイド
経理BPOを活用して自社の成長を加速させよう
経理BPOは、単に業務負担を減らすための手段ではありません。
限られた人員や時間を本業に振り向けやすくし、経理体制の整備や業務の標準化まで進められる点が大きな価値です。
特に、クラウド会計の活用を前提に、日常業務から業務フローの見直しまでオンラインで一貫して任せたい企業には、「CASTER BIZ accounting」が有力な選択肢になります。
採用率1%の基準をクリアした人材を中心に、専属チームで幅広い経理業務に対応しているため、経理負担を減らしながら体制そのものを整えたい企業にも向いています。
経理業務に追われる状況を見直したい方は、CASTER BIZ accountingの活用を検討してみてください。






