公開日 2025.01.06 更新日 2025.01.22

経理アウトソーシングでよくある失敗例と対策法を解説

自社の経理業務の負担を減らすべく、経理アウトソーシングの利用を検討しているご担当者様も多いことでしょう。

経理業務の委託はしかし、成功するとは限りません。

 

失敗例を踏まえて、同様の事態に陥らないよう準備しておきたいところです。

 

そこで本記事では、経理アウトソーシングの失敗はなぜ起こり、どうすれば防げたのかをテーマに解説していきます。

 

経理アウトソーシングを有効に活用したいご担当者様は、ぜひご一読ください。

経理アウトソーシングの概要

本題に入る前に、まずは経理アウトソーシングとは何かを確認しておきましょう。

経理アウトソーシングとは、自社の経理業務を外部の業者に委託することを指します。

 

その道のプロによって、専門性の高い経理業務を効率的かつ正確に実行してもらえるため、生産性の向上が図れます。

 

業務委託をきっかけに、もし、自社のビジネスパートナーとして長期的に並走することができれば、いずれは企業組織の成長にもつながるかもしれません。

 

このような理由から、経理アウトソーシングは経理業務の悩みを克服することで自社の成長を目指している、さまざまな企業から注目を集めているのです。

経理アウトソーシングに委託できる業務

経理アウトソーシングでは、日常的な経理業務から、月次・年次に関わる業務まで幅広く対応しています。

自社のニーズに即したピンポイントな依頼も可能なので、計画的に利用したいところです。

 

では、経理アウトソーシングで委託できる経理業務の具体例を、日常・月次・年次に分けてお伝えします。

 

経理アウトソーシングに委託できる業務内容の例

  委託できる経理業務 
日常的な経理業務 
  • 仕訳の入力 
  • 伝票の記帳・整理 
  • 受注・売上の集計 
  • 経費精算 
  • 現金の出納管理など 
月次の経理業務 
  • 月次決算 
  • 給与計算 
  • 取引先からの入金確認
  • 所得税の処理 
  • 社会保険料の納付など 
年次の経理業務 
  • 決算作業
  • 開示資料の作成 
  • 税務申告 
  • 中間申告・納税 
  • 年末調整など 

上記の表をご覧になって、経理アウトソーシングに委託できる業務範囲の広さがおわかりいただけたはずです。

 

伝票の記帳や経費精算といった日常的に発生する業務だけではなく、給与計算や各種税金の対応、年末調整、決算作業まで任せられるとは、経理担当者にとっては大助かりでしょう。

 

なお、このほかの経理業務も請け負ってくれるアウトソーシング業者もいるので、必要に応じて事前に問い合わせてみてください。

 

関連記事:経理の業務委託とは?委託できる業務内容を詳しく紹介!

経理アウトソーシングを利用する際のメリット

ここまでで、経理アウトソーシングの概要と委託できる業務の内容は把握できましたか?

続いては、経理アウトソーシングへの理解をより深めていただくために、サービスの利用に関するメリットを紹介します。

 

【経理アウトソーシングを利用する際のメリット】

  • 業務の負担を軽減できる
  • 業務の効率化を図れる
  • 属人化のリスクを回避できる

以下で、詳しく解説します。

メリット①業務の負担を軽減できる

経理アウトソーシングを利用するメリットとしてはまず、自社の経理担当者の負担を軽減できるという点が挙げられます。

経理業務には、多くの時間と手間を要します。

 

企業によっては、経理担当者が長時間の労働を余儀なくされたり、人手不足になることを懸念して有給休暇を取りづらかったりするケースがあるかもしれません。

 

これが続くと、経理担当者に過度な負担がかかるどころか、昨今叫ばれている働き方改革の実現にも逆行してしまうことになります。

 

その点、経理アウトソーシングを利用して経理業務を委託すれば、担当者の負担軽減につながるだけではなく、企業側も残業時間の短縮や人手不足の解消といった恩恵を受けられるのです。

メリット②業務の効率化を図れる

経理業務の効率化という観点からも、経理アウトソーシングを利用する意義があるといえます。

数字を扱う経理業務では、一つひとつの入力作業やチェックに多くの神経を使います。

 

それでも万が一ミスが発生すれば、その訂正に余計な時間がかかり、ほかの経理業務の遂行にも影響を及ぼしかねません。

 

経理業務の効率が悪化するのは、こうした不備の積み重ねが原因の一つであると考えられます。

このような事態は、経理業務をアウトソーシングすることで回避できます。

 

経理のプロに任せれば、正確かつ迅速に経理業務を遂行してくれるので、自社の業務効率化に直結するのは間違いありません。

メリット③属人化のリスクを回避できる

特定の担当者に経理業務を任せきりにしている場合、属人化を解消する手立てとしても経理アウトソーシングは有用です。

経理業務の属人化を放置していると、担当者が不在になった際に業務を回せなくなります。

 

それでは困るからと、経理担当者に無理して出社させているようでは、労務管理上、問題があると言わざるを得ません。

いずれは、上記のような企業の体制・体質に不信感をもつ社員が出て離職者増加につながるおそれもあります。

 

このようなケースにおいても、経理アウトソーシングを利用して経理業務を委託することが解決の糸口になります。

 

経理アウトソーシングの担当者は、請け負う経理業務を洗い出すなかで業務フローを明確にするので、その過程で経理業務が標準化され属人化から脱することができるのです。

経理清算アウトソーシングでよくある失敗

さて、前提情報の説明が長くなりましたが、ここからはいよいよ経理アウトソーシングでよくみられる失敗例を5つ紹介していきます。

 

【経理アウトソーシングでよくある失敗】

  • コストをうまく削減できなかった
  • 業務フローが自社に合わなかった
  • コミュニケーションがうまくとれなかった
  • 引き継ぎがうまくいかなかった
  • 業者の専門性が低かった

以下で順番に説明していきますので、自社で同様の事態に陥らないよう参考にしてください。

失敗例①コストをうまく削減できなかった

経理アウトソーシングの失敗例として、コストカットがうまくいかなかったケースがあります。

経理アウトソーシングを利用する企業には、前項でお伝えしたメリットのほかにも、コスト削減が目的というところもあるでしょう。

 

しかし、経理に関わる高度な専門知識を用いる業務や、複数の業務を委託する場合には、想定よりも費用がかさんでしまうこともあり得ます。

 

そのため経理アウトソーシングを利用する際は、自社の予算を考慮しつつ委託すべき業務を洗い出し、それをさらに厳選することが大切です。

 

関連記事:経理業務の外注費用の相場はいくら?外注先の選び方も紹介

失敗例②業務フローが自社に合わなかった

自社と委託先の業務の進め方に相違があると、経理アウトソーシングに失敗してしまう原因となります。

 

なかには、書式やデータ作成の方法を、業者の仕様やシステムに統一するよう求めてくるアウトソーシング業者もいます。

 

一部の経理業務を自社で担うとなれば、慣れないシステムを使うことになるため作業効率の低下は避けられません。

 

このような失敗を回避するには、自社の業務フローをあらかじめ周知したうえで、大きな変更がないよう経理アウトソーシング業者と打ち合わせておくのがベストです。

失敗例③コミュニケーションがうまくとれなかった

委託先の担当者とのコミュニケーションを疎かにしてしまい、スムーズな情報共有が叶わず、経理アウトソーシングを十分に活用できなかったケースも見受けられます。

 

コミュニケーションが不足すると、情報共有が適切に行われずに、誤った認識で経理業務を進められてしまう可能性があります。

 

双方の認識の違いを放置したままでいれば、重大なトラブルに発展する可能性もゼロではありません。

ですので、委託先はビジネスパートナーだということを念頭に置いて、定期的にミーティングの時間を設けるよう心がけましょう。

失敗例④引き継ぎがうまくいかなかった

経理アウトソーシングの担当者と、自社の経理担当者のあいだで行われる引き継ぎがうまくいかず、混乱を招いてしまうことも珍しくありません。

 

自社の経理担当者が、申し送りに不慣れな場合もあるでしょう。

なおかつ外部の担当者とのやり取りともなれば、「どこまで引き継げばいいんだろう……」と悩んでしまうのも仕方のないことです。

 

その結果、十分な引き継ぎができず、必要な業務の抜け漏れが多発する事態に陥るわけです。

 

こうしたトラブルを避けるため、一部の経理アウトソーシング業者は“引き継ぎサポート”というサービスを提供しています。

これなら現状の経理業務のフローをそのまま引き継げるため、ぜひ活用したいところです。

失敗例⑤業者の専門性が低かった

経理業務をアウトソーシングしたまでは良かったものの、委託先に専門的な知識が欠けていたため、「自社で対応したほうがスムーズに経理業務を進められた……」というケースもあります。

 

せっかく経理業務を委託しても、委託先の業務品質が低ければ、コストがかかるだけで経理業務の負担軽減や効率化にはつながりません。

また、委託先の専門性が乏しいということは、法律や税金制度にも詳しくない可能性があり、自社の経理処理に不備が発生することも考えられます。

 

経理アウトソーシングを利用するうえでは、あらかじめ委託先として検討している業者が、専門的な知識を有しているかどうかを徹底的にチェックすることが重要です。

CASTER BIZ accountingでは経理・労務のプロが対応しておりますので、実務経験が豊富で高スキル人材をお探しの方は是非こちらもご確認下さい。

経理アウトソーシングの失敗を防ぐための対策法

前項では経理アウトソーシングの失敗例を紹介しましたが、ここからは、そんな失敗を未然に防ぐための対策法を4つお伝えします。

 

【経理アウトソーシングの失敗を防ぐための対策法】

  • 目的を明確にする
  • 自社のニーズに合った業者を選ぶ
  • 引き継ぎの環境を整備しておく
  • 積極的にコミュニケーションをとる

経理アウトソーシングの失敗を恐れて利用をためらっている方は、これらの内容を押さえれば少なからず不安を払拭できるはずです。

では、一つひとつ見ていきましょう。

対策法①目的を明確にする

経理アウトソーシングの失敗を防ぐための対策法として、経理業務を委託する必要性を考慮し、目的を明確にしておくことが挙げられます。

まずは自社の経理業務の改善点を洗い出し、課題を明らかにしておくことです。

 

経理担当者に過度な負担がかかっている場合や、ミスが多発している場合などは、その改善が目下の課題であり最たる目的となるでしょう。

経理アウトソーシング業者を選ぶ際は、こういった自社の課題にピンポイントで対応してくれる業者を選ばないと、せっかく業務を委託しても期待した効果を得ることはできません。

 

基本的なことではありますが、経理アウトソーシングを確実に成功させたいのであれば、課題の洗い出しに関する社内での綿密なすり合わせが不可欠です。

対策法②自社のニーズに合った業者を選ぶ

経理業務をアウトソーシングする目的が明確になったら、自社のニーズに即した委託先を選びましょう。

 

自社のニーズと経理アウトソーシング業者の得意とする業務が一致していない場合、業務効率が上がらないだけではなく、必要以上にコストがかかってしまうこともあり得ます。

 

そのため、多少の時間をかけてでも自社にマッチした業者を探すのが、経理アウトソーシングを成功させる近道なのです。

自社に適した委託先なら、アウトソーシング特有のメリットを余すことなく享受できるはずです。

対策法③引き継ぎの環境を整備しておく

経理業務を委託する際には必ず引き継ぎが必要になりますので、先んじて業務フローをまとめてマニュアルを整備してください。

事前に準備を始めて何度も内容を確認しておけば、不備のないマニュアルを作成できます。

 

そうすれば、委託後のトラブル回避につながるほか、スムーズな引き継ぎが叶います。

その際、マニュアルに記載されていない経理業務を依頼する場合の対応の可否や、追加料金の有無も確認しておけば盤石です。

対策法④積極的にコミュニケーションをとる

委託先の担当者との密なコミュニケーションは、経理アウトソーシングを成功に導くカギとなります。

今回紹介した失敗例にもあるように、コミュニケーション不足は経理アウトソーシングの失敗につながる可能性があります。

 

適宜コミュニケーションをとらないと、細かい部分での認識のズレや、情報に食い違いが発生することも考えられるため、業務効率化どころか反対に非効率になってしまうかもしれません。

 

決して委託先に業務を任せきりにせず、積極的にコミュニケーションをとって情報共有しながらアウトソーシングを進めるよう努めましょう。

 

オンライン経理のCASTER BIZ accountingでは実務経験が豊富、採用率1%の高スキル人材、厳密な基準と管理システムを設け、常に安定して高い品質を提供できる体制を維持しております。

アウトソーシングの失敗リスクを軽減するための体制が整っていることを追記いただけますと幸いです。

失敗しない経理アウトソーシング業者を選ぶ際のポイント

経理アウトソーシングの失敗例と対策法を把握できたところで、続いては経理アウトソーシング業者を選ぶ際のポイントを3つお伝えします。

 

【失敗しない経理アウトソーシング業者を選ぶ際のポイント】

  • 豊富な実績を有している
  • セキュリティ対策を講じている
  • サービスに柔軟性がある

詳しく解説していきますので、経理アウトソーシングを成功に導くためにお役立てください。

ポイント①豊富な実績を有している

経験豊富な経理アウトソーシング業者であれば、さまざまな業務フローにも対応できるため、選定時には各業者の実績を一つの基準としましょう。

 

経理アウトソーシング業者の実績は、導入事例や継続率などを参考にするのがベターです。

豊富な実績を有している業者なら、経理業務の専門的な知識を有した担当者が多く在籍しています。

 

さまざまな経理システムにも対応できるだけではなく、経理のプロとしての目線から、経理業務の遂行にあたっての的確なアドバイスをもらえるかもしれません。

 

アウトソーシングを利用する側としては、それこそが探し求めている委託先ではないでしょうか。

「信頼できる業者に委託したい!」とお考えなら、第一に実績をチェックすることをおすすめします。

ポイント②セキュリティ対策を講じている

信用に足る経理アウトソーシング業者を選ぶうえでは、万全なセキュリティ対策を講じているかどうかを確認する必要があります。

アウトソーシングの利用に際しては、社内の情報を外部に共有することになるので、少なからず情報漏洩のリスクがあるのは否めません。

 

このリスクを回避するには、“ISMS”や“プライバシーマーク”といった認証を取得している経理アウトソーシング業者を選ぶとよいでしょう。

 

これらは、認証機関によって優れた情報セキュリティ対策を講じていると認められた業者のみが取得できるため、セキュリティ面の不安を払拭するなら必ず見ておきたいところです。

ポイント③サービスに柔軟性がある

経理業務の委託先がフレキシブルな対応ができるかどうかも、経理アウトソーシング業者を選ぶ際の重要なポイントです。

経理業務の繁忙期にあたる、決算期や年末時期のみでも業務を委託できる業者を選ぶのが理想的です。

 

もちろん、年間通して委託するのも有用ですが、自社の予算や環境変化次第では、通年の利用とはいかないこともあるでしょう。

そのような際にも、融通を利かせられる経理アウトソーシング業者なら、長くビジネスパートナーとして並走できるはずです。

経理アウトソーシングの費用相場

ここまで経理アウトソーシングの概要や失敗例、選定のポイントを紹介しましたが、経理業務の委託に際して気になるのは、やはり費用面ではないでしょうか。

 

最後に、経理アウトソーシングの費用相場をお伝えします。

経理アウトソーシングを利用する際の費用は、月額数万円~250,000円程度が相場です。

 

この料金は、業務量や各経理アウトソーシング業者の料金プランによって異なるため、委託する経理業務が明確になった時点で正確な見積もりをもらいましょう。

 

はじめからすべての経理業務を任せるべきか、あるいは一部の業務のみを委託するべきか、自社にとってどちらが費用対効果を得られるのかを検討してみてください。

 

関連記事:経理業務の外注費用の相場はいくら?

経理アウトソーシングの失敗例を参考に必要な対策をとって有効に活用しよう!

今回は、経理アウトソーシングの失敗例と、その対策法をお伝えしました。

経理アウトソーシングの利用に関する過去の失敗例には、コストの削減が叶わなかったケースや、委託先の専門性が低かったケースなどがあります。

 

また、コミュニケーション不足による情報共有の不備も、業務委託の失敗につながる要因となります。

とはいえ、このような失敗例から教訓を得て必要な対策を講じれば、経理アウトソーシングを有効に活用できるはずです。

 

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