経費精算のアウトソーシングの利点は?業者の選び方も紹介
経費精算はすべての企業において欠かせない作業であると同時に、多くの手間と時間がかかる煩わしい業務でもあります。
「誰かに丸投げできれば楽になるのにな……」とお考えの方も、多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、経費精算をアウトソーシングするメリットを、業者の選定時に確認したいポイントとともにご紹介します。
面倒な経費精算から解放されたい企業様は、ぜひ最後までご覧ください。
経費精算のアウトソーシングとは
経費精算のアウトソーシングとは、従業員が業務上の理由で一時的に立て替えた費用の払い戻しや、それに付随する業務を外部の業者に委託する行為のことです。
お金を扱う経費精算は、作業量が多くて時間がかかるうえに、専門的な知識が必要とされます。
詳しくは後述しますが、人件費の削減や業務の効率化などの観点から、経費精算をアウトソーシングする企業が増えつつあります。
アウトソーシングできる経費精算業務
経費精算のアウトソーシングでは、以下の業務を代行してもらえます。
【アウトソーシングできる経費精算業務】
- 支払い関係の処理
- 帳票・仕訳の入力
自社での対応にお困りの業務がないかどうか、確かめてみてください。
支払い関係の処理
請求書や経費精算書などの支払いに関する書類は、アウトソーシング業者に処理してもらうことが可能です。
企業の規模が拡大して従業員や取引先が増えるほど、支払い関係の対応に時間をとられ、ミスも多くなっていくものです。
そこでアウトソーシングを利用すれば、担当者の負担を大きく減らしつつ、支払いの遅れやミスも防ぐことができます。
帳票・仕訳の入力
経費精算をアウトソーシングすると、帳票や仕訳の入力も行ってもらえます。
月末や決算期など、帳票や仕訳の入力作業が多くなる時期は、担当者の残業時間も増える傾向にあります。
そうなればミスが頻発するだけでなく、体調不良に伴う欠勤や、モチベーションの低下による離職も引き起こしてしまうかもしれません。
繁忙期だけでもアウトソーシングを活用すれば、このようなリスクを減らせます。
経費精算をアウトソーシングするメリット
前項で挙げた経費精算業務をアウトソーシングすることで、さまざまなメリットを享受できます。
【経費精算をアウトソーシングするメリット】
- 人件費の削減
- 社内負担の軽減
- 属人化を防ぐことによる不正防止
ここでは代表的な3つのメリットをご紹介しますので、業務の改善にお役立てください。
メリット①人件費の削減
人件費を削減できることは、経費精算をアウトソーシングするメリットとして真っ先に挙げられます。
自社で経理担当者を新たに雇用すると、人件費がかかります。
採用や教育のコストもかかるうえに、一人で業務を行えるようになるまでには、ある程度の時間が必要です。
その点アウトソーシングを活用すれば、工数に応じた費用を支払うだけで、即戦力を確保できます。
業者によって依頼にかかる費用は異なりますが、自社でスタッフを雇用するよりも安く済む傾向にあります。
メリット②社内負担の軽減
経費精算のアウトソーシングには、社内の業務負担を軽減する効果も期待できます。
従業員数が少ない企業では、経費精算をほかの業務と兼任して行うことがあります。
複雑な経費精算をコア業務と並行してこなすのは難しく、繁忙期になれば特に負担が大きくなるでしょう。
アウトソーシングを活用することで、コア業務に割けるリソースを確保でき、効率よく利益を上げる仕組みが整います。
メリット③属人化を避けることによる不正の防止
経費精算のアウトソーシングは属人化を避けることにつながり、担当者の不正も防止できます。
経費精算は専門的な知識を必要とする業務のため、特定の従業員が一人で行う場合もままあります。
しかし業務フローが不透明な状態で属人化してしまうと、担当者が不正を働き、企業に損失を与えるおそれがあるのです。
アウトソーシング業者に依頼して外部の人間が担当すれば、このような心配を減らせます。
経費精算をアウトソーシングするデメリット
経費精算のアウトソーシングには多くのメリットがある反面、いくつかのデメリットも存在します。
【経費精算をアウトソーシングするデメリット】
- 緊急対応におけるタイムラグ
- 育成環境への悪影響
安心してサービスを利用するためにも、上記2つのデメリットを押さえておきましょう。
デメリット①緊急対応におけるタイムラグ
業務内容についてアウトソーシング業者と緊急で連絡をとりたい場合に、タイムラグが生じる可能性がある点には注意が必要です。
経費精算のアウトソーシング業者は、複数の企業と契約して業務を掛け持ちしている場合がほとんどです。
そのため社内にいる従業員と比べて、アウトソーシング業者との連絡はスムーズにいかない傾向にあります。
緊急の連絡が滞ると、内容次第では経営に深刻な問題を引き起こすかもしれません。
タイムラグへの対策としては、口コミや評判を事前に確認しておくことが挙げられます。
対応の速さに関して良いコメントが多ければ、安心して経費精算を依頼することができます。
デメリット②育成環境への悪影響
社内の人材が育成されずにノウハウが蓄積されないことも、経費精算をアウトソーシングするデメリットの一つです。
アウトソーシング業者にすべてを任せると、自社の従業員が経費精算業務を行うことがなくなるため、社内に実践的なノウハウが蓄積されません。
社内の人材が育たなければ、今後もアウトソーシングに頼りきりになってしまう可能性があります。
万が一依頼していた業者が倒産した場合には、社内の混乱は免れないでしょう。
そのため経費精算の内製化を少しでも検討している場合は、業務の一部を自社で行うなど、社内の人材が育つように工夫するのがおすすめです。
アウトソーシング業者によっては、経費精算の業務フローを診断し、最適化してくれるサービスを提供していることもあるので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
経費精算のアウトソーシングを依頼する際の費用相場
経費精算をアウトソーシングする場合、どのくらいの費用がかかるのかは気になるところですよね。
経費精算をアウトソーシングするのに必要な費用は、おおよそ以下の通りです。
経費精算のアウトソーシングを依頼する際の費用相場
自社の企業規模 |
費用 |
中堅・大手企業 |
月々50,000~100,000円 |
中小企業 |
月々200,000~1,000,000円 |
個人事業主 |
月々1,000,000円~ |
※いずれも税込価格
自社の規模や依頼する業務の内容によって、費用は大きく変動します。
アウトソーシング業者ごとの料金設定も異なるため、相見積もりをとってから依頼先を決めるとよいでしょう。
経費精算のアウトソーシング業者を選ぶ際のポイント
ここまでの説明を受け、経費精算のアウトソーシングを検討している方に向けて、業者を選ぶ際に確認しておきたいポイントを解説します。
【経費精算のアウトソーシング業者を選ぶ際のポイント】
- 自社の会計ソフトに対応しているか
- 依頼したい業務の範囲に対応しているか
- 情報セキュリティがしっかりしているか
- さまざまな依頼へ柔軟に対応してくれるか
費用対効果を最大化するための参考になさってください。
ポイント①自社の会計ソフトに対応しているか
アウトソーシング業者を選ぶ際には、自社の会計ソフトと連携できるかどうかをあらかじめ確認しておきたいところです。
会計ソフトは効率的に経費精算を行ううえで欠かせないため、すでに導入している企業様も多いのではないでしょうか。
もしも依頼先の業者が自社の会計ソフトに対応していなければ、まとめてもらった内容を入力し直す手間が増え、かえって業務を圧迫してしまう可能性があります。
そうならないためにも、公式ホームページや電話などで会計ソフトの対応可否を確かめておきましょう。
ポイント②依頼したい業務の範囲に対応しているか
対応している経理業務の範囲も、業者への依頼前に必ず確認してください。
アウトソーシング業者ごとに、対応してもらえる業務は異なります。
万が一、選んだ業者が依頼したい業務に対応していなければ、契約までにかかった手間と費用が無駄になってしまいます。
また、今後新たに行う可能性がある業務に対応しているかどうかも、事前に調べておくと安心です。
せっかく相性の良い業者を見つけても、新たに委託したい業務に対応していなければ、ほかのところに依頼せざるを得ません。
一つの業者と安定して長く付き合っていけるように、あらかじめ業務の対応範囲を確かめておくことをおすすめします。
ポイント③情報セキュリティがしっかりしているか
情報セキュリティが強固であるかどうかも、経費精算のアウトソーシング業者を選ぶ際に確認したいポイントとして挙げられます。
個人情報や企業の機密事項を取り扱う経費精算は、細心の注意を払って行わなければなりません。
アウトソーシングではこれらの情報を社外のスタッフが管理することになるため、自社で対応する場合と比べて情報漏えいのリスクは高まります。
したがって、情報を安全に管理するためのセキュリティ対策が徹底されており、信頼に足るアウトソーシング業者を選ぶことが重要です。
ポイント④さまざまな依頼へ柔軟に対応してくれるか
依頼への柔軟な対応力も、経費精算のアウトソーシング業者を選ぶうえで欠かせない基準の一つです。
経費精算の手順やルールは、定期的に実施される法改正に伴い変わっていきます。
古い情報を基に経費精算が行われていると、税務調査で指摘を受けてしまう可能性もあるので、複雑な法改正にも柔軟に対応していく必要があります。
その点、アウトソーシング業者はその道のプロであるため、法改正があっても安心です。
また、繁閑差による業務量の変動への対応可否も確認しておきましょう。
経費精算は、決算期にもっとも忙しくなるのが一般的です。
業務量に応じて人数やプランの調整ができるアウトソーシング業者を選べば、無駄なコストを生じさせることなく依頼を続けられます。
経費精算のアウトソーシング業者のタイプ
ひとくちに経費精算のアウトソーシング業者といってもいくつかタイプがあるので、前項で解説したポイントとあわせて、それぞれの違いを押さえておきたいところです。
【経費精算のアウトソーシング業者のタイプ】
- 中堅・大手企業向け
- 中小企業向け
- 個人事業主向け
ここではそれぞれの特徴を解説しますので、自社に適した業者を選ぶのにお役立てください。
中堅・大手企業向け
中堅・大手企業向けのアウトソーシング業者は、対応している業務の幅が広く、膨大な作業をこなしてくれるのが特徴です。
さらにコンサルティングサービスを提供している業者であれば、経費精算の業務フローの改善やマニュアル整備といった作業も任せられます。
中小企業向け
中小企業向けのタイプの特徴としては、中堅・大企業向けの業者に比べて安価にアウトソーシングできる点が挙げられます。
帳票の入力や請求書の管理など、一部の作業をスポット的に依頼することが可能で、融通が利くのも嬉しいポイントです。
個人事業主向け
個人事業主向けの業者は、特定の業務に絞って依頼するのに適しています。
一部の作業にコア業務を圧迫されているときや、従来の経費精算の業務フローを改善させたい場合に、比較的安価で問題を解決してもらえるでしょう。
経費精算のアウトソーシングにおすすめのサービス5選
ここでは数ある経費精算のアウトソーシングサービスのなかから、厳選した5つをご紹介します。
自社の需要と照らし合わせて、最適なサービスを探してみてください。
CASTER BIZ accounting
【CASTER BIZ accountingは、このような企業におすすめ】
- 実務経験が豊富なスタッフに対応してほしい
- 経理や労務が滞りなく行える環境を構築したい
- 迅速に対応してほしい
CASTER BIZ accountingは、採用率1%の試験を通過した優秀なスタッフが、経費精算をはじめとするさまざまな業務を代行するサービスです。
事業の特性や業務量などを詳細にヒアリングし、最短3営業日で専門チームを立ち上げるスピード感が強みです。
公式ホームページには大企業から従業員数が20人以下の企業まで幅広い導入実績を掲載しておりますので、自社と近い事例があるかどうか参考になさってください。
CASTER BIZ accountingの概要
料金 | 月々247,500円(税込)~ |
対応可能な業務 | ・経費精算
・売上請求業務 ・買掛支払業務 ・月次年次処理 ・IPO伴走サポート ・税理士対応 ・クラウド会計システム導入サポート ・クラウドに強い税理士の紹介 ・追加セキュリティ要求対応 ・経理業務コンサルティング |
メリービズ
【メリービズは、このような企業におすすめ】
- プランを自由にカスタマイズしたい
- 経営状況を常に把握しておきたい
- 急な依頼にも対応してほしい
メリービズは、オンライン上で業務を代行するバーチャル経理アシスタントです。
経理業務全般を任せられるのにくわえて、業務量に応じた専用のプランをカスタマイズできるのが特徴です。
また、安定して優秀な人員を確保できることもメリービズの強みとして挙げられます。
繁忙期による人手不足や従業員の急な欠勤といったアクシデントにも、迅速に対応してもらえるでしょう。
メリービズの概要
料金 | 要相談 |
対応可能な業務 | ・経費精算
・帳票仕訳入力 ・請求書発行 ・売掛買掛管理 ・月次決算 ・経理業務コンサルティング |
マネーフォワード経費BPO
【マネーフォワード経費BPOは、このような企業におすすめ】
- 経理の工数を削減したい
- まずは短期間で試したい
- アウトソーシングサービスを利用したことがない
マネーフォワード経費BPOは、クラウド費用の承認代行サービスです。
経理業務のなかでも負担のかかる領収書の確認・承認に特化しており、工数の大幅な削減が期待できます。
さらに同サービスでは、1ヶ月間の無料トライアル期間を設けています。
一部利用できない機能もありますが、期間中は無料でアウトソーシングを試すことが可能です。
期間の終了後に、自動で課金されることもないので安心です。
マネーフォワード経費BPOの概要
料金 | 基本料金+各種従量課金 |
対応可能な業務 | ・経費申請の科目チェック代行
・差し戻し業務 ・経理承認の代行 |
freee経理アウトソース
【freee経理アウトソースは、このような企業におすすめ】
- DXを実現させたい
- 自社で使っている会計ソフトに対応しているサービスを利用したい
- 情報管理を徹底してほしい
freee経理アウトソースでは、独自の方法で業務を可視化させ、経理のDXをもたらすことができます。
DXとは、デジタル技術による業務改革のことです。
これは単なる“業務のデジタル化”ではなく、“業務フローのデジタル化”を指します。
freee経理アウトソースを利用することで、すべての経理業務がデジタルデータによってシームレスにつながり、スムーズに行えるようになります。
freee経理アウトソースの概要
料金 | 要相談 |
対応可能な業務 | ・経費精算
・請求管理 ・債務管理 ・口座管理 ・債権管理 |
HELP YOU
【HELP YOUは、このような企業におすすめ】
- サービスを長く利用したい
- 幅広い業務を依頼したい
- 自社に最適なプランがわからない
HELP YOUは、平均継続利用率98%を誇るオンラインアウトソーシングサービスです。
高難度の研修課題と面接をクリアした優秀なスタッフが500名以上在籍しており、業務に対するマインドもしっかりと教育されています。
また、企業のニーズにあわせて2種類のプランから選べるのも魅力の一つです。
どちらのプランが自社に合っているのかわからない場合も、担当のコンサルタントが最適なプランを提案してくれます。
HELP YOUの概要
料金 | ・チームプラン:月々100,000円(税込)~
・1名専属プラン:月々150,000円(税込)~ |
対応可能な業務 | ・経費精算
・売上入金確認 ・仕訳伝票の作成 ・請求書発行 ・売掛買掛管理 ・その他 |
経費精算をアウトソーシングすればコア業務にリソースを割けるようになり、不正も防止できる
本記事では、経費精算をアウトソーシングするメリットを、業者の選定時に確認したいポイントとともにご紹介しました。
経費精算のアウトソーシングには、コア業務に割けるリソースを増やし、属人化による不正も防止できるというメリットがあります。
ただしアウトソーシング業者との相性もあるため、公式ホームページの内容や口コミを確認したうえで依頼することが大切です。
自社の抱える問題を的確に解決してくれる、最適な業者を選びましょう。
オンライン経理のCASTER BIZ accountingでは、経費精算をはじめとする幅広い業務を代行しています。
優秀なスタッフが業務の効率化をお手伝いさせていただきますので、企業の大小や業種にかかわらず、お気軽にお問い合わせください。