経理アウトソーシングの概要やおすすめのサービスを紹介!
人手不足によるリソースのひっ迫は、経理現場の悩みの種ですが、“経理アウトソーシング”は、このような問題への打開策となるかもしれません。
もちろん、サービスの利用にあたってはその特徴を押さえたうえで、自社に適しているか否かを判断する必要があります。
この記事では、経理アウトソーシングの具体的なサービス内容を、メリット・デメリットとともに紹介します。
経理アウトソーシングとは
経理アウトソーシングとは、経理業務の全般を、専門業者にアウトソーシングすることです。
これにより、企業には後述するようなさまざまなメリットがもたらされます。
なお、アウトソーシングとよく似た言葉に、“外注”がありますが、厳密には両者は意味が異なります。
どちらも、外部業者へ業務を依頼する点は同じですが、企業の成長が目的のアウトソーシングに対して、外注はコスト削減が主な狙いです。
つまり、コスト削減より、業務を委託しながらも自社の成長が優先という事業者にアウトソーシングは向いているわけです。
経理アウトソーシングで依頼できる業務
ひと口に経理といっても、その業務内容は多岐にわたります。
経理アウトソーシングを利用すれば、具体的に下記のような業務を代行してもらうことが可能です。
経理アウトソーシングで依頼できる業務
- 記帳業務
- 請求書・納品書などの発行
- 給与計算・年末調整
- 決算書作成・決算申告など
委託できる業務の内容は業者によって異なるため、事前にリサーチしておくことが大切です。
経理業務全般ではなく、一部だけを引き受けている業者もいます。
経理アウトソーシングの料金相場
経理アウトソーシングにかかる料金は、依頼内容により異なるため一概には言えません。
ここでは、依頼する業務の種別ごとに、料金の相場を紹介します。
【業務別】経理アウトソーシングの料金相場
委託する業務 |
費用の相場 |
記帳代行 | 月額10,000~30,000円程度 |
給与計算 | 月額10,000~30,000円程度 |
決算申告 | 1回あたり100,000~300,000円程度 |
上記に加え、発注企業の従業員数や企業規模などの条件によっても料金は上下します。
そのため、別途詳細な見積もりを業者側に依頼しましょう。
経理アウトソーシングを利用するメリット
では、実際に経理アウトソーシングを活用することで、企業はどのようなメリットを享受できるのでしょうか?
主なメリットとしては、下記の7つが挙げられます。
【経理アウトソーシングを利用するメリット】
- 人材不足解消になる
- コア業務に集中できる
- コストの削減につながる
- 属人化防止になる
- 経理業務の品質向上につながる
- 不正防止につながる
- 法改正などのルール変更に対応しやすくなる
以下で詳しく解説します。
メリット➀人材不足解消になる
就労人口の減少が叫ばれる昨今、その波は経理業務の現場にも押し寄せています。
慢性的な人的リソースの不足に悩ませられている経理の現場にとって、経理アウトソーシングはその打開策となりうるでしょう。
メリット②コア業務に集中できる
経理アウトソーシングを活用すれば、経理担当者の経理兼任を解いて、コア業務に専念してもらうことができます。
経理の業務内容は多岐にわたり、かつ専門性も高いため、担当者の負担は決して小さなものではありません。
しかし、これらの業務をアウトソーシングすれば、担当者の負担は大幅に軽減され、本来取り組むべきコア業務へ集中させることが可能になります。
また、経理のプロである業者から、専門性の高いノウハウ提供を受けられるので、非効率的な業務フローを是正して、生産性を向上させられる場合もあります。
メリット③コストの削減につながる
業務の負担だけでなく、人件費をはじめとしたコストの削減を図れることも、経理アウトソーシングによりもたらされる恩恵です。
熟練した経理担当者の採用や、新人の育成には多くの人件費がかかりますが、経理アウトソーシングを行えば、これらのコストカットが実現します。
さらに、繁閑に応じて発注の有無やボリュームを調整できるため、コストバランスを最適化できます。
メリット④属人化防止になる
経理アウトソーシングにより、業務の属人化を防ぐことも可能になります。
経理の現場では、特定の担当者しかタスクの進め方や細かい数字を把握していないという、業務の属人化が起こりがちです。
属人化が進んだ現場においては、担当者が不在の際や退職してしまったあとに、誰も情報を共有されておらず、当該業務の手順や対応方法がわからないという事態に陥ります。
経理アウトソーシングの利用によって、業務プロセスやフローを可視化・共有できれば、このような属人化によってもたらされる弊害は起こりにくくなります。
メリット⑤経理業務の品質向上につながる
経理アウトソーシングの業者は、経理のプロであるため豊富なノウハウを有しています。
そのノウハウを駆使して難易度の高い業務を遂行しつつ、ときに業務フローを是正しながら、生産性を向上させてくれます。
これにより、より高品質なアウトプットが実現するのです。
メリット⑥不正防止につながる
先述したような、属人化が進んだ現場では、担当者が不正をはたらくリスクも上昇します。
しかし経理アウトソーシング、すなわち外部の監視の目が届くことで、不正が起きにくい職場環境となります。
属人化によりブラックボックスであった経理の現場の可視化により、不正を未然に防止することが可能になるのです。
メリット⑦法改正などのルール変更に対応しやすくなる
経理業務は、法律や制度の改正のたびに大きな影響を受けます。
めまぐるしく変化するこれらのルールに、逐一対応していくのは簡単なことではありません。
しかし、経理業務を生業とする経理アウトソーシングの専門業者であれば、常にアップデートされた最新の情報をもとに、日々の業務を遂行してくれます。
経理アウトソーシングを利用するデメリット
メリットの多い経理アウトソーシングですが、デメリットとよぶべき点もあります。
【経理アウトソーシングを利用するデメリット】
- ノウハウを蓄積できない
- 情報漏洩のリスクがある
- 経理処理が重複してしまう可能性がある
- 対応に時間を要する場合がある
続いては、これら4つのデメリットについて説明します。
デメリット➀ノウハウを蓄積できない
経理アウトソーシングにすべて任せ切りであれば、業務のノウハウが社内に定着しません。
依頼する業務の範囲を調整したり、先方からノウハウ共有やフィードバックを受ける場を設けたりといった対策で、こうした弊害はある程度避けることができます。
中長期的に自社で経理業務を内製化したいのであれば、アウトソーシングを利用しつつ、ノウハウを取得する取り組みも進めていく必要があります。
デメリット②情報漏洩のリスクがある
外部業者へ業務を委託するというサービスの特性上、自社内で経理業務を完結させる場合と比較すると、どうしても情報流出のリスクは避けられません。
業者のスタッフが書類や電子機器を社外で紛失してしまう、あるいは悪意をもって意図的に情報を持ち出すケースもないとはいえないからです。
そのため、経理アウトソーシングの委託先には、信頼できる業者を選ぶことが何より重要なのです。
業者を決定する際には、情報の管理体制や情報漏洩対策への取り組みを確認しておきましょう。
デメリット③経理処理が重複してしまう可能性がある
経理アウトソーシングでは、経理処理の重複にも気をつけましょう。
自社社員と委託先の業者が誤って、同一の経理処理を重複して行えば、円滑に業務を遂行するうえでの妨げとなりますし、修正対応に割かれる労力も馬鹿になりません。
これを避けるためにも、委託する業務とそうでない業務を明確に切り分けたうえで、間違っても混同が起きないような仕組みを考えておきましょう。
デメリット④対応に時間を要する場合がある
経理アウトソーシングは、外部の業者に委託するため、何か問題が起きたときに、連絡に時間を要するうえ、相手とやりとりを重ねる必要が生じるかもしれません。
自社で経理業務を行うのであれば、社内で迅速に対応、解決が図れます。
アウトソーシングをしているとすぐには回答が得られないでしょうし、自社の状況に合わせて業務プロセスや業務内容をカスタマイズするのが難しくなるでしょう。
経理業務をアウトソーシングする際の注意点
年末や決算期は経理業務の繁忙期であるため、できるだけ前もって依頼をかけることをおすすめします。
これらの時期は、業者へ依頼が集中し、料金が割り増しになったり、あるいはそもそもサービスを受けられなかったりするかもしれません。
そのため、可能であれば繁忙期を避けて依頼することをおすすめします。
経理アウトソーシングの代行タイプ
経理アウトソーシングのサービスには、大きく“派遣型”と“リモート型”の2つがあります。
それぞれの特徴は、以下の表をご覧ください。
経理アウトソーシングのタイプ
サービスのタイプ |
特徴 |
派遣型 | セキュリティ面での安全性が高く、コミュニケーションもとりやすい |
リモート型 | 機器や設備の貸与の必要性がなく、スピーディーにサービスを導入できる |
派遣型とリモート型は、業者のスタッフが自社内に常駐するか否かという点で異なります。
スタッフが常駐するのが派遣型、遠隔で対応してくれるのがリモート型です。
それぞれの特徴を理解したうえで、依頼する業務範囲が多岐に渡る場合は派遣型を、限定的な場合はリモート型を、といった具合で使い分けるのも一案です。
経理アウトソーシングの選び方
それでは、実際に経理アウトソーシングのサービスを選ぶ際のポイントをお伝えします。
【経理アウトソーシングの選び方】
- 業務範囲
- 信頼性と実績
- コミュニケーション・対応速度
- 情報管理・セキュリティ対策
ここで挙げる項目を確認しつつ、じっくりと吟味してみてください。
業務範囲
まずは、サービスがカバーする業務範囲を確認しておきましょう。
経理アウトソーシングには、給与計算や記帳のみ代行してくれるものから、決算や税務申請を含めた経理業務全般をトータルで引き受けてくれるものまであります。
アウトソーシングしたいとお考えの業務内容を明確化したうえで、サービスの対応範囲と照らし合わせながら検討を進めてください。
信頼性と実績
信頼に足る企業か否かという点も、確認しておきたいところです。
事業継続の年数や導入実績などをチェックしつつ、可能であれば業者の得意分野も探ってみるとよいでしょう。
また、口コミが見られるのであれば目を通しておくことをおすすめします。
コミュニケーション・対応速度
コミュニケーションのとりやすさや、レスポンスの早さも重要な判断材料です。
問い合わせ時や、無料トライアル期間における先方の応対品質を見極めながら、これらの点を確かめるとよいでしょう。
情報管理・セキュリティ対策
先述した通り、情報漏洩や紛失は一企業として決して看過できない問題です。
ただし、アウトソーシングのサービスを利用する以上、そのリスクは常につきまといます。
それゆえ、候補となる業者の情報管理体制やセキュリティ面での取り組みは入念にチェックしておかねばなりません。
おすすめの経理アウトソーシングサービス5選
最後に、おすすめの経理アウトソーシングサービスを5つ紹介します。
ぜひ、貴社にあったサービスを探してみてください。
CASTER BIZ accounting
【CASTER BIZ accountingはこのような企業におすすめ】
- 経理業務全般を丸投げしたい
- セキュリティ性を重視したい
- とにかく早く依頼したい
経理業務をアウトソーシングして、業務の効率化を図りたいのであれば、“CASTER BIZ accounting”がおすすめです。
月額225,000円から利用可能であり、経費精算から税理士対応まで、経理業務の一切をオンラインで代行します。
最短3日で専属のチームを立ち上げたうえで、豊富なノウハウを有する優秀なスタッフにより、経理業務を安定的に行える仕組みを構築します。
大小さまざまな企業への導入実績を有するほか、情報セキュリティ認証資格(ISO・IEC27001)や国内規格Pマークも取得済で、セキュリティ対策も万全です。
経理業務をCASTER BIZ accountingに委託して、現場の生産性向上を図りましょう。
サービスの詳細
料金 |
月額225,000~680,000円
※従業員数によって変動 |
対応業務・サービスの詳細 |
経費精算、売上・請求業務、買掛・支払業務、月次処理・年次処理、IPO伴走サポート、税理士対応業務、クラウド会計システム導入サポート、クラウドに強い税理士紹介サービス、追加セキュリティ要件対応、経理業務コンサルティングなど |
強み |
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メリービズ バーチャル経理アシスタント
【メリービズ バーチャル経理アシスタントはこのような企業におすすめ】
- オンラインで委託したい
- 依頼内容をカスタマイズしたい
“メリービズ バーチャル経理アシスタント”は、オンライン型の経理アウトソーシングサービスです。
経費精算から月次決算まで幅広い経理業務に対応しており、豊富な経験をもつスタッフによる包括的なサポートを期待できます。
また、繁閑に応じて依頼内容を調整できるため、経理業務にかかるコストの最適化を図ることも可能です。
適正なコストで、経理業務全般を発注したい場合におすすめです。
サービスの詳細
料金 |
月額150,000~3,000,000円
※従業員数によって変動(要問い合わせ) |
対応業務・サービスの詳細 |
経費精算、帳票・仕訳入力、請求書発行、売掛・買掛管理、月次決算など |
強み |
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マネーフォワード クラウド経費
【マネーフォワード クラウド経費はこのような企業におすすめ】
- 経費精算をピンポイントで依頼したい
- フローの自動化を進めたい
“マネーフォワード クラウド経費”なら、経費精算業務の自動化・ペーパーレス化を図れます。
経理業務のなかでも経費精算に特化した同サービスでは、きめ細かく充実したサポートを受けられるので、自社内にノウハウが不足している場合にもおすすめです。
無料のトライアルも用意されているため、経費精算業務をピンポイントでアウトソーシングしたいとお考えの方は、この機会に利用してみてはいかがでしょうか。
サービスの詳細
料金 |
要問い合わせ |
対応業務・サービスの詳細 |
経費の申請から承認、精算処理に至る一連のフロー |
強み |
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freee経理アウトソース
【freee経理アウトソースはこのような企業におすすめ】
- 経理業務のペーパーレス化を図りたい
- 各種法令・制度に準拠したい
“freee経理アウトソース”は、クラウド会計ソフトで有名なfreee株式会社によって提供される経理アウトソーシングサービスです。
請求書の受領や送付などの処理業務を包括的にサポートしてくれる安心感は、長年経理・人事労務に携わってきたfreee株式会社ならではといえます。
ペーパーレス化のほか、インボイス制度や電子帳簿保存法に準拠しているので、請求書の処理業務に課題を感じられている方はぜひご利用ください。
サービスの詳細
料金 |
要問い合わせ |
対応業務・サービスの詳細 |
請求書受領、スキャン代行、電子保存、債務管理 |
強み |
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HELP YOU
【HELP YOUはこのような企業におすすめ】
- 経理・バックオフィス業務の一切を依頼したい
- オンラインで委託したい
“HELP YOU”は、オンライン型の経理アウトソーシングサービスであり、ペーパーレス化を図れるほか、各種法令・制度への準拠もサポートします。
経理のほか、人事やセールスサポートなどバックオフィス業務を委託することも可能で、いずれも豊富なノウハウに裏打ちされたサービスが特徴です。
依頼する業務内容に応じて、その分野に特化した優秀なアシスタントによるサポートが提供されます。
サービスの詳細
料金 |
100,000円/30時間~
※プランによって変動 |
対応業務・サービスの詳細 |
経費精算、売上・請求業務、買掛・支払業務、給与計算、伝票作成、データ入力、資料作成など |
強み |
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経理アウトソーシングにより現場の生産性を上げることができる!
今回は経理アウトソーシングサービスの特徴や、おすすめのサービスを紹介しました。
経費精算や年末調整などの経理業務をアウトソーシングすることで、属人化や人材不足など、現場が抱えるさまざまな課題を解決しつつ、組織の生産性を向上できます。
経理アウトソーシングサービスを選ぶ際は、業者のサービス対応範囲や実績などを考慮しつつ、選定を進めるとよいでしょう。
オンライン経理のCASTER BIZ assistantでは、経理を含む、貴社のバックオフィス業務を包括的にサポートいたします。
経理の現場に課題を抱えられている企業様は、ぜひ一度お問い合わせください。