経理部長が抑えるべき「経理のDX」最初の1歩とは
「失敗しない経理のDX!本当に必要なものはコレだった」では「本当に必要なのはルールやフローの棚卸をし、業務を見直すこと」と結論付けましたが、実際に、あなたが経理の責任者の場合、「ルールやフローの棚卸をし、業務を見直す」ことを実施するために、まず最初にすべきことは何でしょうか?
最初の一歩は、やはり「現状を把握する」ことだと思います。そして、その次に「あるべき姿を整理する」そして、「ギャップを知る」という流れで業務を最適化していくのがおすすめです。
現状を把握する
では、「現状の何を把握するのか?」現状把握をする際によく行うのが、業務のリスト化です。
ただ、業務をリスト化しはじめると、それぞれの担当者から、あれもこれもと項目が出てきたり、人によって粒度が違ったり、そのリストを整理し、課題をひとつひとつ考えるだけで時間を浪費し、現状を把握するまでに、途方もない時間がかかってしまいます。
ですので、まずは、次にあげるような「現状把握に必要な指標3つ」から現状を把握し課題を抽出していくと、比較的、改善ポイントが絞られ、明確になりやすいのです。
今からあげる項目は、管理する側から見ると目を覆いたくなるような現実かもしれません。でも、そういうものこそ、今、変えるべきチャンスと捉えて挑戦してください。
【現状把握に必要な指標3つ】
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労働時間の現状
-
業務スピード
- 風遠し
詳細は以下で説明していきます。
労働時間の現状
この項目は一番わかりやすい指標です。
- 一人当たりの残業時間は適正か
- 休暇の取得バランスは適正か
このポイントで現状を把握してみてください。
「一人当たりの残業時間」で見る点は2つ。まず、部門全体として適正か?という点、そして個人の残業時間は適正か?という点です。
それぞれを、年間残業時間の昨対、月別平均残業時間の昨対、部内平均残業時間と個人実績の比較等を出して、一人当たりの残業時間は現状適正なのか?を把握してください。
「休暇の取得バランス」については残業時間よりも簡単で、それぞれの有給取得率を確認してみてください。
「一人当たりの残業時間」「休暇の取得バランス」を確認すると、一部のメンバーが極端に残業していたり、有給取得率がいつも悪い人がいるなどの現状が出てきませんか?労働時間はすなわち、業務に紐づいているので、業務の課題があるところは必ずといっていいほど、「労働環境」に問題が出ていることが多いのです。
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業務スピードの現状
経理業務だけでなく、勤怠の申請、他の部署からの問い合わせ、ちょっとした部内の回付など、流れが止まっていたり、遅くなっている人はいませんか?
そういわれてみると、あれ?そういえば、、、と気づくことがあるのではないでしょうか。
「〇〇さん、いつも遅いから、、、」とか、「△△さんは忙しいから直ぐには無理かもよ。」とか、そんな声が聞こえてくることがあるかもしれません。
そもそも、だらしなくて、遅れがちな人もいると思いますが、往々にして業務過多になっているところは「動き」が滞ります。そのポイントを見つけてみてください。そこ課題があるはずです。
できる人には仕事が集中するからある程度は仕方がない、と見て見ぬふりをしていませんか、今はそれでいいかもしれませんが、これからDXを進めていく上で、「仕事を抱え込んで、たくさん仕事している人」の頭の中の業務フローがデジタル化できず、その部分がネックとなってDXが進まない原因になることもあるのです。
風通しの現状
3つめは、あなたの部署の「風通し」です。目の前で上司が忙しそうにしていると報連相しにくいものです。
必要があれば、いつでも相談していいという空気を作れているでしょうか?上記の1.2.の現状を把握したら、労働時間に課題があったり、業務スピードが滞っているポイントがあったりするのに、特に誰からも相談されていないし、報告も受けていない、、、とすると、それは、本当の意味で風通しのいい職場だとはいえません。
- 労働時間が過剰なのは、業務が多いから
- 業務多くが滞るのは人に振れないから
- 人に振れないのは振りやすい環境にないから
…だって、みんな忙しいから。
また、ここ数年、又は数か月で、目に見える程の業務の効率化や最適化を行った実績はありますか?
もし、「そんなことをしている暇もないよ!」と感じたのなら、あなたの職場は風通しが悪くなっている可能性があるでしょう。
この点、実はリモートワークを始めると改善されることもあります。
なぜなら、リモートワークになると、テキストやチャットで主にやり取りすることになるので、今までのようにみんなの状況が目に見えない、そして、みんなからも見られていない分、逆に相談しやすくなったり、周りの雰囲気に流されず自分の意思で業務の課題に向き合うことになり、何とか課題を解決しようと自らの舵を切る人も出てくるのです。
私たちオンライン経理のCASTER BIZ accountingでは、経理のオンライン化を見据えたヒアリングをもとに新しい業務運用構築のお手伝いしております。